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2009/05/01

箱と欠損

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※パリのどこかの回廊のオルゴール屋さん

パリにあるオテル・デ・ザンヴァリッド(通称アンヴァリッド)はルイ14世が建てた廃兵院で、金色に輝くドームが美しい建物。その名前は「肉体的欠損者」という意味を持つ。
今はナポレオンの墓が眠るそこは、ひんやりとして厳粛な場所。

今読んでいる本「妻を帽子とまちがえた男」には、色々な形で自らの何かを失う人々がでてくる。
脳の一部の何かが欠けただけで、己を位置づけていたものに狂いが生じ、そのまま自分を見失ってしまう。

フロイトは物質的で有形のからだによるアイデンティティ「肉体的自我」が自我の基盤と考えていたけれど、ではその基盤に欠けが生じたら、人はどうなってしまうのだろう。

肉体と心の関係は密接で、肉体に受けた欠損はそのまま心の欠損となり得る。
今までみていた世界すらも変えてしまう。
普段、たとえば女性は月に一度の体調不良の時は苛々したり落ち込みやすかったりするけれど、そんなレベルじゃない変化がそこにはある。
肉体に振り回される自分って、何?

そんなことを一寸考えていたら、今日たまたまつけたテレビで、癌患者の方と難病の方がホノルルマラソンを完走するというドキュメンタリーをやっていた。
失った分、自分で自分の身体にそれまで以上の意味を与えている彼らは、健康な多くの人たちよりもずっと丁寧に見て、聞いて、動いて、愛して、生きていた。

色々な意味で、私は贅沢だな、と思った。
とはいえ、人はそれぞれの檻があるから私は私のサイズの檻の中でぶち当たって精一杯やっていくしかないのだけれど。
たまに俯瞰して、ちっちゃい檻だなぁとか思ってみたり。

火星の人類学者—脳神経科医と7人の奇妙な患者」の感想を書こうかな、と思ったら本が行方不明。
私ってほんとなくし物とか多い・・・。
猫が遊んでてどこかにやっちゃったんだろか。

そうそう、あと、身体の内と外をテーマにしている純文学、といえば吉田修一さんの「パークライフ」がおすすめ。深い。

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「心と体」カテゴリの記事

コメント

こころと体、密接な関係です。僕などは単純ですから、体調が良いと強気になり、悪いと悲観的なことを考えることが多くなります。いつも平常心でいたのですが、僕の場合、あと300歳くらい年を重ねないとだめかも知れません。

投稿: 次郎 | 2009/05/01 22:31

疲れていたり体調が悪かったりすると駄目ですよね。
そういう時はとりあえず寝るといいのかもしれないですね。
暗い夜に押しつぶされそうになった不安は、朝になると消えちゃったりしますし。

300歳ですか〜。
あと人生を4回分ですね。
悟りをひらけちゃいますかね。

投稿: *yuka* | 2009/05/01 22:41

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