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2009/03/09

長く閉ざされた空間

先日、NHKの「世界遺産の旅」で、中国の「福建土楼」を見た。
「福建土楼」は、中国南部・福建省の山中にある、客家(はっか)と呼ばれる人々の集合住宅である。
3〜4階建ての巨大な円形の建物は内部に開口部があり、まるでコロッセオのような風貌である。
最大800人が生活していたらしく、同じ土楼の者同士でも面識がないこともあったという。
外壁は1mもの厚さがあり、かなり強固な建物。裏には隠し通路もある。

あの独特の風貌に見蕩れてしまった。
まるで映画のセットのようだけれど、今でも生活している人がいるのだ。

「福建土楼」写真等はこちら:チャイナネット
        :ウーマンエキサイト

買ったままずっと読んでいなかった、森 博嗣さんの「女王の百年密室」を読み始めた。
森作品は、「すべてがFになる」からはじまる「S&Mシリーズ」を全てとVシリーズを少し、「スカイ・クロラ」を読んだことがあるけれど、全作品に共通するあの淡々として温度がなく、詩的で美しい言葉がはえる雰囲気が好き。

外敵から身を守る為の閉ざされた集合住宅「福建土楼」と、「女王の百年密室」の百年間孤立していた街。

この開くと閉じるは個人レベルでもあって。

閉じて開いて冷える音」でも書いたけれど、閉じることは色々な物を生み出すことができ、必要なことであると思う。
でも、閉じることで得られる安全があったり、自己との対話により深く知ることができる内部がある一方で、閉じることによって得られないものも勿論ある。
開かれることによって齎される危険があったとしても、その中には刺激やら何やら新しいものも含んでいるわけで。
ずっと0か100かではいけなくて、その数値は右へ左へと目盛を動かし続ける事が望ましいのだと思う。

最近、体調不良もあって一寸飽和状態だった。
遠く遠くひいたら、また違った姿が見えてくるのだろう。
もっとも、アメリカの軍事衛星が写した「福建土楼」が、ミサイル基地だと誤解されたように、ひきすぎることでわからないこともある。
遠景と近景、どちらもバランスよくミックスして、その全体像を正しく把握できるように。

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「心と体」カテゴリの記事

コメント

NHKの世界遺産の旅は僕も観ました。福建土楼も含めて、世界には行ってみたいところがたくさんありますね。マチュピチュも栄華の後がしのばれる遺跡ですが、このように滅びたものに哀愁を感じます。

投稿: 次郎 | 2009/03/09 22:27

マチュピチュも行ってみたい場所のひとつです。
謎の多い遺跡って、魅力的です。

投稿: *yuka* | 2009/03/11 23:36

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