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2009/02/26

イッツ・オンリー・トーク / 絲山秋子

Es1

イッツ・オンリー・トーク

絲山秋子

第96回文學界新人賞受賞作

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昨日「袋小路の男」を読んで、懐かしくなって再読した。

鬱病を患っている主人公の女性と、彼女を取り巻く男たちの話。
主人公が住んでいる街がちっともお洒落ではないけれどどこか落ち着く蒲田であるのがいいし、男たちは皆個性的。
主人公の自意識が過剰でないので、淡々と読み進められる。

当時、これを読んだ私は、すごくあっさりした読みやすい小説、という感想を持ったと思う。
でも今読み返してみると、当時はわからなかったこの作品に横たわる独特の空気感を理解できたと思う。
絲山さんの作品は、表面はドライなのに、中がぽっとやさしくあたたかい。
ゆるゆるっと開かれた物語は、最後にしゅるしゅるっとうまく閉じられる。
そして余韻が鳴る。
あの間がなんともいえない。
新人とは思えないうまさ。
最近読んだ、たとえば文藝新人賞受賞作とかは、勢いや目新しさはあっても、この「うまさ」に欠けるものが多くて。
これを読んでなんだかほっとした。

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コメント

yukaさん、絲山秋子のイッツ・オンリー・トーク読んでみたくなりました。この週末、読みます。

投稿: 次郎 | 2009/02/27 21:51

そういっていただけると書いてよかったなと思います。
ストーリーがというより、雰囲気を楽しむ作品かなと思います。
最後のしめ方が、好きです。

投稿: *yuka* | 2009/02/28 18:49

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