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2009/02/21

アヒルと鴨のコインロッカー / 伊坂 幸太郎

Ahirukamoアヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎

第25回吉川英治文学新人賞受賞作

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はじめに映画を観たいなと思っていて、でも気付いたら映画も見逃していた作品。

伊坂さんって、2008年本屋大賞受賞作「ゴールデンスランバー」の方なんですね。「ゴールデンスランバー」も、気になりつつまだ読んでいなかった作品。

引っ越して来たアパートで、悪魔めいた不思議な青年「河崎」に出会う主人公、椎名。
「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけられ、一冊の広辞苑を奪う為に書店へ向かうことに・・・という話。

青年2人が本屋へ行って、たった一冊の広辞苑を奪う。
そのあらすじだけを聞いてイメージしていたのは荒唐無稽な青年たちによる青春小説。
だが、小説の内容はイメージとは大きく異なっていた。

「現在」の話と「二年前」の話が、交互に展開される。
現在の話は、椎名の視点で語られ、二年前の話は琴美というペットショップに勤める女性の視点で語られる。
琴美は女たらしの河崎が以前一ヶ月だけ付き合っていた相手で、ドルジというブータン人の彼氏がいる。
現在の話には、ドルジと思われる外国人は登場するが琴美が登場しない。何故広辞苑を奪うのか?二年前に一体何が起こったのか?という疑問を持ちながら読者は読み進めることになる。

ミステリーっぽい展開だなぁと思っていたら、もともと『オーデュボンの祈り』で「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞された方なのですね。
伏線がうまい具合に配置されていて、次へ次へと展開が気になり、あっという間に読み終えてしまった。

はじめは、いささか表現が助長であるように感じた。例えば、なかなか片付かなそうな引っ越しの段ボールを、決して消える事のないアメリカ軍隊に例えたりするのだ。伊坂作品は初めてなので、それが彼のテイストなのだろうか?と思いながら読んでいたのだけれど、読み進めるうちに気にならなくなった。

物語の終盤では、「仕掛け」に気付き、唸らざるをえない。
全ての理由が見えた時に、もう一度読み返すと、また違った見え方がしてくる。
ああ、そこは、本当はそういう意味だったのか、と。
何でもないことを素朴に語った作品もいいけれど、丁寧にプロットが練られた作品は、ああこれぞプロの仕事だなと読後の満足感が大きい。
物語の構成だけではなく、登場するモチーフたちの繋ぎ方もいいし、タイトルのつけかたも秀逸。

また、仕掛けのうまさだけではなく、登場人物たちに個性と魅力があるところもいい。

諸手を上げて面白いと言える作品。

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コメント

yuksさん、はじめまして。

今日、アンティーク山本商店で小物を買ったものです。同タイトルで検索していたら、偶然yakaさんのブログを見つけました。

yakaさんは、白いケビントを買われたのですね。僕もあのような医療棚が欲しいと思いました。

何かの偶然ですので、yakaさんのブログはこれからも見させていただきますね。
よろしくお願いします。

僕も、旅のブログ(あまり更新できていませんが)を書いています。お時間のあるとき覗いてください。

投稿: 次郎 | 2009/02/22 17:48

はじめまして。
コメントありがとうございます。
そうなんですね、色々繋がっていますね!
ケビントは今、アンティーク山本商店で買った小瓶の他に瓶のかわいいアロマオイルや植物を飾っています。
ケビントはグリーンや黒のものも素敵ですよね。

私も次郎さんのblog拝見させていただきますね。

投稿: *yuka* | 2009/02/22 20:46

さっき、拝見させていただいて、コメントしようと思ったんですけど、livedoorブログにログインしないとコメントできないんですね…。
アカウントを持っていないので、コメントできずすいません。
また覗かせていただきますね。

投稿: *yuka* | 2009/02/22 21:09

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