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2008/11/11

蜷川実花による蜷川実花

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※人工的に毒々しく着色された魚の写真のページ

先日買った「美術手帖 蜷川実花による蜷川実花」を読んだ。

蜷川実花さんは、8年くらい前から好きな写真家さん。

彼女を象徴するモチーフの話から、新作NOIR(ノワール 黒)の話、生まれ育った環境、写真をとる瞬間のことなど、彼女を形作るありとあらゆることたちが集まり、非常に濃い内容。

彼女が写真を撮る瞬間に精神が乖離する話が興味深く、読んでいる私も本の中にとっぷりと浸かってすっかり外界から遮断されてしまった。

作家、赤坂真理さんが書いた蜷川「劇場/写真」論が素敵だった。
一部抜粋。

たとえば、生まれて初めて見上げた空はあんなじゃないか。まがまがしく青く、液体のように濃密で、ぎゅうっとしみて、ざわざわして、私の中で、わけもわからず涙になる。
地上に生まれて初めて個別の身体で見たその瞬間の風景が、彼女の写真には封じ込められている、そんな感じか。


彼女の写真の世界観を手触りが想像できるくらいリアルな言葉で綴っている。
彼女の小説を読んでみたくなった。

他に、金原ひとみさんが「mango」という短編を書いているのだけれど、こちらは世界観が浅くて、正直蜷川実花の写真に合わない気がした。私は彼女の作品は、デビュー作「蛇にピアス」と文芸誌に載った短編しか読んだ事がないのだけれど、その短編を読んだ時と同じ印象を持った。言葉に力がないのかな・・・。私のツボにはまらない作家さん。

照れもせず、隠しもせず、写真を極めたい、頂点を目指したいという気持ちを語れる蜷川実花さんはかっこいい。彼女の持つそのエネルギーに感化されて、読んだ後はなんだかじっとしていられない気持ちになった。
大地を強く蹴って走り出したい。
そんな気分になる特集。

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