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2008/08/15

しょうがの味は熱い / 綿矢りさ

  しょうがの味は熱い
綿矢りさ

文學界2008年8月号に掲載
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前作「夢を与える」以来の、綿矢さんの作品。

同棲中のカップルが主人公で、語り手は彼女→彼→彼女 と変わる。

彼女は彼が好きで彼が彼女の生活における全てなのに、彼は仕事が第一で彼女を少し邪魔に感じているという倦怠期の話。

とりあえず、タイトルがいいなと思った。
文學界の表紙にでかでかと書いてあったのだけれど、惹き付けられた。

また、書き出しの

整頓せずにつめ込んできた憂鬱が扉の留め金の弱ってる戸棚からなだれ落ちてくるのは、決まって夕方だ。

という部分も、熟慮された様が読みとれ、その後の展開を期待させる。

でも、この作品はそういった細部の描写に力をいれていることは伝わってくるのだけれど、肝心の話の筋やセンスといったものに問題がある。
一寸した倦怠期のカップルのすれ違いを、彼女側の視点で大袈裟に書き過ぎている風に思う。

例えるならば、木の絵を描かないといけないとして、葉っぱの葉脈の部分は丁寧に丁寧に描きこんであるのだけれど、肝心の木の幹や枝の形がおかしくて、結果微妙な木の絵になっている、みたいな・・・。

ただストーリーが流れていくのではなく、登場人物たちのとりとめも無い考えや記憶、詩的な表現といったものがでてきて、そういう書き方自体は好きなのだけれど、この作品は本当にただまとまりなくぽろぽろって感じで散らかった印象だけが残る。

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