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2008/01/26

青色讃歌 / 丹下健太

Aoirosanka 青色讃歌 
 
丹下健太

  第44回文藝賞受賞作

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フリーターの高橋はキャバクラで働く彼女めぐみと同棲をしている。
めぐみに頼まれていなくなった野良猫のマリーを探す事になった高橋。ある日は猫を探し、ある日は仕事を探す。猫を探しているというチラシをはったところ、連絡がいくつかくるが・・・という話。

以下内容にふれていきます。

主人公はなかなか定職が決まらないフリーターなのだけれど、鬱々と自分について悩むこともないし、仕事が決まらないことを悲観的になって落ち込むこともなく、同じように定職についていない友人と飲んで笑い飛ばすような感じなので、軽くて読みやすい。語り口調も新人とは思えなくらいうまい。
彼女のめぐみは石を集めている。石といってもその石自体がどうというわけではなく、何かの出来事があった時に近くに転がっていた石を拾って、メモをつけて収集しているのだ。こういった小道具はありきたりといえばそうなのだけれど、めぐみの性格を表現するのにうまく機能している。石とは違って高橋に対するめぐみのドライな態度が笑いを誘う。
登場人物の性格づけがうまく、リアルだと思う。

猫探しを始める事でまた新たな人との出会いがあり、世界が外へと広がって行く。
はじめは同棲中の部屋の中や、友人設楽の家の中といった狭い世界で動いていたものが、ゆるやかに広がりをみせる話の進め方はうまいと思う。

会話にでてくるユーモアといったのりにセンスのある人なので、次回作も読んでみたい。

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