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2008/01/04

パリ、ジュテーム / 古閑 万希子

Parisje パリ、ジュテーム 
★★★★★
古閑 万希子 

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映画「パリ、ジュテーム」のノベライズ本。
私はまだ映画の方は観ていないのだけれど、パリ帰りの私に、パリの思い出に浸れるようにと友人が貸してくれたもの。

映画「パリ、ジュテーム」は、   18人の監督がパリのそれぞれの区を舞台に「愛」をテーマに描いた5分間のショートストーリーだそう。
なので、ノベライズも短編が18話並ぶ。

パリの街は、区ごとのカラーがはっきりわかれている。
例えば16区高級住宅街の住民たちはその区からは殆ど出ないし、メトロにすら乗らない。
庶民も庶民で自分たちのエリアから出てブランド店がひしめくエリアだとか高級住宅街に足を踏み入れることはない。
どのエリアも行ったり来たりするのは旅行者くらいなものなのだとか。
私は3〜4区マレや5区カルチェ・ラタンが好き。あとは13区のビュット・オ・カイユ〜中華街のあたりとか。

そんなパリだからこそ、それぞれの区を舞台にしたこの物語の深みが増す。

一番心に残ったのが、「18話 14区 キャロル/パリ」
14区はモンパルナスという地域で、モンパルナスタワーやモンパルナス墓地がある。
私はHCBの写真美術館に行きたくて訪れた。
この地域自体にこだわりがあるわけではないのだけれど、話の内容にひきつけられた。

50歳を間近に控えた郵便配達員のキャロルには、夫も子供もいない。
デンバーの郊外で犬二匹と暮らしている。
キャロルはフランス語を勉強し、憧れのパリへ旅行する。
その時に、自分が死を見つめる年齢になっていることを実感する。
別れと出会い、孤独、そして死・・・それらのことに思いを巡らせながらも、前向きに歩いて行こうとするキャロル。そんな話。

私はまだ死を見つめる年齢ではないのだけれど、人間いつ死ぬかなんてわからない。
キャロルの年齢は遠いようでいて案外すぐきてしまうかもしれないし、自分がその年齢になった時に一体どんなことをしているのか。
老いていくにつれ、経験と知識は増えるけれど、体力など肉体的な部分はどうしても衰える。
そして、若い頃に逃したチャンスや出会いもきっともう戻ってはこない。
遠い未来に思いをはせると同時に、今の自分はこのままのんびり生きていていいのだろうか、後悔のないようにもっと突き進むべき道があるのではないだろうか。
そんなことを考えた。

旅先での「一人」は、自分と向き合える気持ちのいい孤独を味わえる。
そしてそれがパリだからこその素晴らしい思い出も伴う。
読み終わった時に、やっぱりまたパリへ行きたいと思った。

映画も観てみたいな、DVDがでたら借りよう・・・。

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