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2008年1月

2008/01/30

正反対の色々

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※パリにて黄色と紫の花の群れ

黄色と紫というのは補色の関係で、色相環において正反対だからこそ最も引き立て合う色。
でも補色は完全に混ざり合うと無彩色という味気のないものになってしまう。
それぞれの個性の枠を外さないからこその素敵な組み合わせ。
人間関係にちょっぴり似ている。

今週は色々考えることがあって、通勤途中に本が読めていない。
今はインプットする時期じゃないのだろうなぁ。
右脳と左脳、インプットとアウトプットの時期の繰り返し、繰り返し。

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2008/01/28

種熟す週

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※月もでているパリセーヌ川の夕暮れ

予想外の残業でややくたびれた今日。

以前友人に教えてもらった「筋トレ占い」によると
私の星座魚座は、何らかの場面で「機が熟した」ことを何となく感じられる週だそう。
そして、かつて開かなかった扉が開きそうな気配もあるそう。

機が熟すっていい言葉だな。
冬の間じーっと土の中で静かにしていた種が、よい気候の頃合いをみはからってにょきにょきっと芽をだすような。
物事には必ずタイミングがあって。
ここぞというタイミングに芽を出せたら、あとはすくすくぐんぐん伸びるだけ。
もっとも、そのタイミングをはかるのが難しいのだけれど・・・。

私は普段、のんびりな性格のせいで「まいっか、次の機会で」なんてことをやりがちなのだけれど、今年はその「まいっか」を減らせるといいな。

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2008/01/27

肝心の子供 / 磯崎 憲一郎

Kanjin 肝心の子供 
★★
磯崎 憲一郎

  第44回文藝賞受賞作

書籍の詳細情報はこちら
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ブッダ、束縛という名の息子ラーフラ、孫のティッサ・メッテイヤと三代に渡って描く小説。

最近の新人賞を受賞した小説の中ではかなり異色である。
主人公が何を思ったとか何をしたとかそういう次元の話ではなくて、壮大な自然を背景に進んで行くひとつの歴史を見ているような小説なのである。
昔こういった雰囲気の話を読んだ事があるような気がするのだけど、何だったかな。
聖書とか、そういった雰囲気をまとっているのかも?

ブッダという名前が出てくるけれど、これは歴史小説ではなくフィクションである。
フィクションなのに、史実に基づいて書いているような重厚感がある。

描写が非常に丁寧で、目の前に景色がさーっと広がっていく。
ひとつひとつの出来事に意味が込められていそうで、読み返してみたいと思うタイプの小説。
ただ、終わらせ方が一寸不満なのと、極めて男性的な視点で語られているという点で、好みかと聞かれればそうではない小説。

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2008/01/26

青色讃歌 / 丹下健太

Aoirosanka 青色讃歌 
 
丹下健太

  第44回文藝賞受賞作

書籍の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

フリーターの高橋はキャバクラで働く彼女めぐみと同棲をしている。
めぐみに頼まれていなくなった野良猫のマリーを探す事になった高橋。ある日は猫を探し、ある日は仕事を探す。猫を探しているというチラシをはったところ、連絡がいくつかくるが・・・という話。

以下内容にふれていきます。

主人公はなかなか定職が決まらないフリーターなのだけれど、鬱々と自分について悩むこともないし、仕事が決まらないことを悲観的になって落ち込むこともなく、同じように定職についていない友人と飲んで笑い飛ばすような感じなので、軽くて読みやすい。語り口調も新人とは思えなくらいうまい。
彼女のめぐみは石を集めている。石といってもその石自体がどうというわけではなく、何かの出来事があった時に近くに転がっていた石を拾って、メモをつけて収集しているのだ。こういった小道具はありきたりといえばそうなのだけれど、めぐみの性格を表現するのにうまく機能している。石とは違って高橋に対するめぐみのドライな態度が笑いを誘う。
登場人物の性格づけがうまく、リアルだと思う。

猫探しを始める事でまた新たな人との出会いがあり、世界が外へと広がって行く。
はじめは同棲中の部屋の中や、友人設楽の家の中といった狭い世界で動いていたものが、ゆるやかに広がりをみせる話の進め方はうまいと思う。

会話にでてくるユーモアといったのりにセンスのある人なので、次回作も読んでみたい。

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2008/01/24

雪舞う時に眠る猫

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※ホットカーペットでぬくぬく中のうちのこ

昨日は雪だった。
朝起きてカーテンをあけると、白くて小さいものが一面にひらひらひら。
寒くても何だか一寸嬉しかった。
玄関横に置いてある植物にも、雪がうっすらと積もっていた。

毎日うがいしているにも関わらず、毎日ビタミンCを摂取しているにも関わらず、またもや風邪子だった私。
今週はオシャレなど色々なことにやる気がない。
睡眠をなるべくとらないと身体がもたないのだから仕方ないけれど。

風邪や疲労で煩悩が薄れていく様は、ある意味心地がいい。
色々考え過ぎて疲れている人は、思いっきり風邪ひいて寝込んでみるのもいいのかも。
あ、私は気持ちが疲れていたわけでもないのに風邪ひきましたが・・・。

煩悩が欲する「余分」は、時には毒で時には薬。
無くても生きていけるけれど、毒を恐れて全く無くしてしまった人生なんてそれはそれで味気ない。
体調不良で寝込むとき、そういった「余分」を一度リセットするのかも。

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2008/01/21

遠く遠くに

Img_2915_2

最近、朝会社に行く時にこんな風景を見る事が多かった。
厚ぼったい雲。
遠くに柔らかく滲む朝焼け。
雲の厚さと朝焼けの明るく澄んだ様子とのコントラストが何とも不思議な雰囲気。

夕焼けも好きだけど、夕焼けはエネルギーが次第に地について眠り行くイメージ。
朝焼けは、新しいエネルギーが身体の隅々まで染み渡るイメージ。
元気に動きたい時は朝焼けが良いですね。

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2008/01/20

着物美味

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先日、着付け教室の新年会へ。
全員着物でフレンチというのは、なかなか粋なこと。
選ぶ着物、合わせ方にその人らしさがでていてとても素敵。

まずはワインで乾杯。
美味しいワインを飲むのは久々。
昨年末、ミシュラン2つ星のレストラン「タイユヴァン」で買ったワインを飲んで以来かも。

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冷製オードブル3種盛り合わせ
鴨とフォアグラのテリーヌが濃厚で美味。

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蛤とホタテのポアレ。
菜の花が春らしい。
あと、写真を撮り忘れたけれど、この後もうひとつのメイン「牛ヒレ肉のステーキ フォアグラ添え赤ワインソース」もきた。

前菜もメインもフォアグラがあって、フォアグラ好きにはたまらないメニューです。
魚系とお肉系両方味わえるってなかなか贅沢。
一品の量がそんなに多くないので、ぺろりと食べられる。

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デザートの林檎のコンポートとラムレーズンのアイスクリーム。
ほろ苦いカラメルソースが絶品。

この教室に来ている人はみんな魅力的な人たちで、話してみると引き出しが多い。
和だったりアンティークだったり、古い映画だったり、私と似たような物を好きな人たち。
趣味の集まりって、会社とかと違ってそういう点が面白いと思う。
普段だったら、マイナー過ぎてあんまりわかってもらえないような話を「あ、知ってる、知ってる」と話せたりして。

最近は、こういう自分と趣味の似た人との出会いがある一方で、自分とはかなり価値感の違う人との出会いもあったりして、それの意味するものは何かななんて考えたりする。
そういう価値感も認める事?
比較して自分のカラーをはっきりさせる事?
価値感を混ぜてみる事?
なんだかんだ、価値感が近い人と一緒にいた方が楽だけど。
価値感が遠い人には、私という人間をそもそも正しく理解してもらえていなかったりするし・・・。
でも、折角出会えた数多の人たちとの出会いを、意味あるものにしたいなとは思う。

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2008/01/18

小さなことでも

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※パリで出会った砂場で遊ぶかわいい子

帰りのエレベーターで、40〜50代くらいの他の会社のおじさん2人と一緒になった。

私は駅直通出口のある2階のボタンを押し、彼らは地下1階のボタンを押した。
でも入館証か何かを返さないといけないんだったと言う話をしていたので、もしかして2階で降りるのかな?と思っていた。

2階について、開くボタンを押しながら結局おじさんたちはどっちで降りる事にしたんだろうと思いつつ様子を伺い、「降りますか?」と聞くと、「あ、でもどうぞ」と譲り合いの雰囲気。
ボタンを既に押していたので、笑顔で「どうぞ」と促したらお礼を言って降りていった。

そのまま同じ方向の出口へ向かって歩く3人。
前におじさん、後ろに私。

遅い時間は自動ドアのある表玄関は閉まるので、裏口へまわる。
ふと見ると、先ほどのおじさんの一人が裏口の扉をあけた状態でにこやかに待っていてくれた。
お礼を言って外へ出る。

こんな些細なことでも、親切したりされたりすることがあると、清々しい気持ちになる。
最近とみに思うのだけれど、自分が周囲に小さな親切を心がけていると、同じように返してもらえることが多い気がする。
親切にした人からだったり、全然関係ない人だったり。
親切の連鎖。
みんなが優しい気持ちだと、世の中何もかもがうまくいくだろうな。

そういえば、周りの気持ちをずずんと沈める、黒い世界から来た人たちには最近関わっていないなぁ。
そういう課題はもうクリアしたのかな・・・。

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2008/01/17

リンパの中に氾濫

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※パリにて、回廊内の一寸いい洋灯

つらつらと色々書いたのに、別タブで開いたサイトが重かったらしくブラウザがフリーズ。
前向きに捉えるなら、ば、内容を変えろということなのかしら。
でも今日は一寸お疲れなので、そんなに書きたい事がない。

風邪をひいてから、ぐりぐりリンパがぽっぽと痛む。
リンパ管の中で何かが頑張って踏ん張って菌を止めてくれているのだろうなぁ、という勝手なイメージ。
でも肩凝りと相俟って左側がずずんと重くて、ついつい首を右にこきりと傾けてしまう。

第138回芥川賞が発表された。
受賞した、川上未映子さんの「乳と卵」を読んでみたいけれど、掲載誌の文學界12月号はもう売り切れていそうなので文藝春秋が出るまで待とう。選評も気になるし。口コミでは結構評判いいので楽しみ。こんな時しか文藝春秋は買わない。

私が好きなナオコーラさんは受賞を逃してしまったけれど、今回の候補作「カツラ美容室別室」は私的には彼女の作品の中でいまいちと思うものなので、きっともっといい作品をひっさげてまた候補になってくれるだろう。でももしかしたら、しばらく受賞せずやがて直木賞コースかも?

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2008/01/15

大通りへ出た時に

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※パリでの夕暮れ

最近ブログにパリの写真を使っているのだけれど、こういうシリーズというわけではなくて、単に最近写真を撮影していないからなだけだったりする。

仕事をはじめて、いわゆるラッシュ時に通勤して、大きな駅の人の波に流されて、セキュリティカードをぴってやってオフィスにはいって。
あまりにも典型的な会社員らしいことを自分がやっていると、何だかたまに可笑しくなる。

大通りが好きじゃなくて、裏通りとか小道ばかりを好き好んで歩く私は、
たまに大通りに出ると時折嘘くさく感じてしまうのだ。

大きな駅の巨大な波に乗って一定方向へ歩く人のうち、果たして何%が私のようなことを考えているのかしら。
疑問を持たずに前進する人の頭の中をちらっと見てみたかったりする。

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2008/01/14

問題が起こる時

Flower1_3

※パリの花屋の店先

たまにチェックする「ジョナサン・ケイナーの星占い

私の星座、魚座の今週のメッセージにいいことが書いてあったので一部抜粋。

なぜ人生では問題が起こるのでしょう?「経験」という名の海を順調に航海できないものでしょうか?そんな質問をするのは「なぜ雨が降るの?」とか「夜をな くして昼だけにすることはできないの?」といった質問をするようなもの。「下り」を体験してこそ「上り」の喜びを理解できます。問題が起こるからこそ私た ちは変化を起こすのです。疑惑を感じるからこそ、確信のよさを理解できます。

最近、風邪っぴき風邪子だったせいで、自分の進んでいる道に一寸自信が持てない時があったのだけれど、そうだよねぇと思った。
問題とか悩みは、充足していないからこそのパワーを孕んでいるし、そのパワーをうまくいかせば大きく跳ねることもできるのだ。

風邪も治ったし、駆け出してみようかな。

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2008/01/09

扉の外には

Necoparis

※パリのパッサージュにいた猫

大きな郵便物を持って、玄関をあけた。
玄関の中は真っ暗で、
郵便物に気をとられていたら 足の横を何かがするんとすり抜けていった。

うちの愛猫が、とっとっととマンションの廊下を歩いて行く。
いつもは鞄でガードしながら扉をあけるのだけど、郵便物に気を取られて油断していた。

うちの子は家猫なので、外は未知の世界。
焦ったり怒ったりしたら驚いてしまうだろうと思って、普段通りに名前を呼ぶ。
見知らぬ景色に怖くなったのか、途中で引き返してきた。
すかさず抱き上げて家に連れ帰る。

そういえばある作家さんのお友達の家では
扉をあけた時に家猫の子が出て行きそうになって
急いで扉を閉めたら硬い金属の扉で猫を挟んでしまい
大怪我させてしまったそうな。

それ本末転倒ですって・・・。
気をつけてー。

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風邪のちジンジャーティー

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※いつか撮った夕焼け

風邪をひいてしまい、頭の芯がふわんとゆるく麻痺している。
ぽわーとしていて心地いいような気もするけれど、仕事には支障があるので早く治すべし。

とりあえず朝は身体を温める為にジンジャーティーを飲んだ。
林檎ジャムが空いたら、またハニージンジャージャムつくろうかな。

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2008/01/07

七日の七草粥

Nanakusa

一月七日、人日の節句は七草の日。
「無病息災を願う」風習。
毎年必ず七草粥をつくって食べる。

芹(せり)薺(なずな) 御形(ごぎょう) 繁縷(はこべら) 仏の座(ほとけのざ) 菘(すずな) 蘿蔔(すずしろ)・・・と、音では覚えているのだけど、それぞれが何なのかよくわからないので調べてみたところ、なずなはぺんぺん草、すずなはかぶ、すずしろは大根だそう。
ああ、だから七草セットには小さいかぶと大根が必ずはいっているのね。

お正月の残り、お餅も細かく刻んで混ぜてみた。
もちもちっとなかなか美味しいです。

今年も健康に過ごせるようにと、願いを込めて・・・。

これによると、セブンイレブンでは七草粥を期間限定で販売しているようですね。
へ〜、コンビニで売っているものなのですね〜。
料理しない人にはいいのかも。

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2008/01/06

ふつふつ林檎ジャム

Apple

いただきものの林檎がたくさんあったので、林檎ジャムをつくった。
琺瑯の鍋でことこと煮込んでいると、なんだか優しい気持ちになる。
ふつふつと泡をたてる林檎ジャム。

1.5個の林檎で、2瓶弱のジャムができた。

Jamshoku

以前記事にもしたトークショーでサインをもらった、福田里香さんの「ジャム食本 (AC MOOK)」のレシピを参考にした。
写真といいレシピといい、なんだか女心のテンションを上げてくれる本。

そういえばフランスで買ったジャムもまだたくさん残っていたな・・・食べなくちゃ食べなくちゃ。

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映画「天然コケッコー」

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「天然コケッコー」
★★★☆☆
監督:山下敦弘
原作:くらもちふさこ
出演:夏帆、 岡田将生、 夏川結衣、 佐藤浩市、 柳英里沙、 藤村聖子

映画の詳細情報はこちら
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東京から小・中学を合わせて生徒が6名しかいない田舎の分校に来た転校生、大沢君。
同級生のそよちゃんは次第に彼にひかれていく。
田舎ののどかな自然を背景にすすむ2人の初恋は?という話。

以下、内容にふれていきます。

原作の漫画は読んだ事がないのだけれど、評判がよかったので借りてみた。
東京育ちの私にとって田舎の分校の風景は新鮮で、のんびりとした空気が心地よい。
そよちゃんを姉のように慕う1年生の女の子がすごくかわいい。

ただ、肝心のそよちゃんと大沢君の恋愛に説得力がなく、変に甘酸っぱいのであまり楽しめなかった。
大沢君がそよちゃんを好きになるきっかけとか理由とかが何か見えてこないといけないのに、全然見えない。
だから、田舎で他に人がいないからこの子でいいやってかんじでそよちゃんと付き合ったように見えてしまう。

それなのに、受験の時に東京よりもそよちゃんをとったと知っても、何の感慨もない。
むしろ「勢いで決めちゃっていない?大丈夫?」と言いたくなる。

大沢君がそよちゃんを好きなわけ、田舎を東京よりもいいと思ったわけをもっと描けていたらまただいぶ違っただろうなぁと思う。
なんだか私には物足りない映画だった。
原作を読んでみたい。

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2008/01/05

映画「空中庭園」

Kuchuteien

「空中庭園」
★★★★★
監督:豊田利晃
原作:角田光代
出演:小泉今日子 、 板尾創路 、 鈴木杏 、 大楠道代

映画の詳細情報はこちら
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以前、原作の書評を掲載した「空中庭園」

ストーリーはほぼ原作と同じ。
「何ごともつつみかくさず」をモットーにしている家庭、京橋家を舞台にした話。

以下内容にふれていきます。

主人公絵里子がつくるベランダのガーデニングは、原作でイメージしていたものよりもずっと豪華で大きい。ベランダガーデニングでここまで大規模にやっている人ってどれくらいいるのだろう。
カメラがひいてダンチ全体を映した時に、バビロンの空中庭園をよりイメージさせる。
空中庭園って?という方の為に簡単に説明すると、バビロンの空中庭園とは紀元前600年頃にバビロンにつくられたもので、庭園の各テラスに様々な植物が植えられていた。空中庭園といっても空を飛んでいるわけではなくて、遠くから見た時にあまりの大きさに空から吊っている様に見えたからだそう。
ダンチのベランダガーデニングをこれに例えているわけである。

ちなみに、居間の電笠にもバビロンの空中庭園を思わせるイラストが描いてあり、演出が細かい。

登場人物たちはほぼ原作通りのキャラクターなのだけど、祖母だけは違った。
原作よりもずっと色気があってかっこいいキャラクターに感じた。
それが絵里子との対比で、より双方が際立って見えるのでいいと思う。

主人公絵里子を演じた小泉今日子が凄い。
笑顔の下に潜む、ひりひりとした感情が透けて見えて怖い怖い。
あの美人なキョンキョンが、思い込みが激しく視野の狭いおばさんにしか見えなくて、これって演技力の賜物ですね。
素晴らしい。

ストーリーは部分部分アレンジされているのだけれど、それがどれも映画用として成功しているように思える。
小説そのままだったら地味で終わってしまっただろうと思える絶妙な箇所に、小説では使えない表現を絶妙な匙加減でいれているのだ。

ただ一カ所だけ・・・マナをホテルに連れ込んだ男がバビロンの空中庭園の入れ墨をしていて、「バビロンへようこそお姫様(だっけ?)」と言う件は過剰だと思う。
そこまでバビロンをアピールする必要はあったのだろうか?
電笠やダンチで十分暗示できているのに・・・。
あそこだけ非常に出来が悪い気がする。
この男のキャラクター自体いらないような気もするのだけれど、彼は「赤ん坊は血にまみれて泣きながら生まれて来る」という、後々重要になるセリフを言ってはいるわけで。
でもこのセリフは、別の人が言ってもよかったんじゃないだろうか・・・。

あと、この映画では、自分で事実の見方を決めてかかってしまったがために、大切なことを見落としているんじゃないか?というメッセージが伝えられる。

最後、絵里子が血塗れで泣く場面は、はじめ「な、なんで血塗れ」と思ったのだけど、よくよく考えてみれば真実に気付いた絵里子がもう一度生まれ直す=生まれ変わったように成長する ということの表現なのですね。

誕生日には家族3人から、ケーキと白い花と白いくまのぬいぐるみのプレゼント。
白=清いもの、赤ちゃん ということを表しているのでしょう。
つまり、生まれ変わった絵里子そのもの。

全体的に、とても丁寧なつくりの映画だと思う。丁寧すぎてわかりやすすぎるところがちょっと気にはなるけれど・・・。(バビロンの入れ墨とか、繰り返されるセリフとか、家族のプレゼントの色とか)

映像が美しく、ゆらりゆらりと空中を揺れる植物のハンギングバスケットを思わせるカメラワークもいい感じ。

結末では原作よりももっと絵里子がちゃんと救われたので一安心。
家族間に秘密があっても、結局は愛するのは家族なんだという映画。
ちょっと泣ける。

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2008/01/04

今年はこんな年に

Shinen_2

・・・そういえば、新年のご挨拶もなしに記事を更新していました。
書けていない書評や映画評、グルメ評が多くて、それを更新せねばの思いで書いていました。
特にグルメ評は写真ばかりがたまっていきます・・・。

喪中なので新年の決まり文句は省略しますが、どうぞ今年も宜しくお願いします。
本当はお飾りも駄目なのだけど、昨年末「Blue Water Flowers」で見つけたこの小さなお飾りがかわいくてつい買ってしまった。クリスマス前だったので、クリスマスのリースもかねて・・・。
こっそり玄関横に飾り中。

昨年の私は、仕事を辞めて、毒抜きの一年でした。
そんなことを言うと酷い仕事をしていたみたいだけれど、そういうわけではなく。
以前の職場の人たちとは今でもすごく仲が良くて、ちょくちょく遊びに行くほど。
ただ、IT最先端だった職場と、自分の好きな物とが遠過ぎて、その最先端にどっぷり浸かっていた自分を自分らしい姿に戻す為の有意義な一年間だったという意味です。
大好きなパリにも行けたし。

昨年は、そういう意味では「静」の一年。
今年は、その「静」の間に蓄えたものをいかす一年。

私って、基本がのんびり者なので、そうやって自分の好きなことをやるとか誓っておきながら、のんべんだらりと過ごしてしまうことも結構あるのだけれど、その度に私をちょこっと焦らせるような何かがある。
私の後ろの人が、「おいおい、それじゃ駄目だろう」って言っている気がする・・・(汗
無闇矢鱈と焦る必要はないけれど、時間が有限であることをもっと意識して過ごさないとなと思う。

どんなことも「無理」って思ってしまったら、出来るわけがないから。
今年はもっと意志を強く持って、甘やかさずに取り組んでいきたいなと思う。
ストイックという言葉とは無縁な私にとって、それって結構大事な課題。

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パリ、ジュテーム / 古閑 万希子

Parisje パリ、ジュテーム 
★★★★★
古閑 万希子 

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映画「パリ、ジュテーム」のノベライズ本。
私はまだ映画の方は観ていないのだけれど、パリ帰りの私に、パリの思い出に浸れるようにと友人が貸してくれたもの。

映画「パリ、ジュテーム」は、   18人の監督がパリのそれぞれの区を舞台に「愛」をテーマに描いた5分間のショートストーリーだそう。
なので、ノベライズも短編が18話並ぶ。

パリの街は、区ごとのカラーがはっきりわかれている。
例えば16区高級住宅街の住民たちはその区からは殆ど出ないし、メトロにすら乗らない。
庶民も庶民で自分たちのエリアから出てブランド店がひしめくエリアだとか高級住宅街に足を踏み入れることはない。
どのエリアも行ったり来たりするのは旅行者くらいなものなのだとか。
私は3〜4区マレや5区カルチェ・ラタンが好き。あとは13区のビュット・オ・カイユ〜中華街のあたりとか。

そんなパリだからこそ、それぞれの区を舞台にしたこの物語の深みが増す。

一番心に残ったのが、「18話 14区 キャロル/パリ」
14区はモンパルナスという地域で、モンパルナスタワーやモンパルナス墓地がある。
私はHCBの写真美術館に行きたくて訪れた。
この地域自体にこだわりがあるわけではないのだけれど、話の内容にひきつけられた。

50歳を間近に控えた郵便配達員のキャロルには、夫も子供もいない。
デンバーの郊外で犬二匹と暮らしている。
キャロルはフランス語を勉強し、憧れのパリへ旅行する。
その時に、自分が死を見つめる年齢になっていることを実感する。
別れと出会い、孤独、そして死・・・それらのことに思いを巡らせながらも、前向きに歩いて行こうとするキャロル。そんな話。

私はまだ死を見つめる年齢ではないのだけれど、人間いつ死ぬかなんてわからない。
キャロルの年齢は遠いようでいて案外すぐきてしまうかもしれないし、自分がその年齢になった時に一体どんなことをしているのか。
老いていくにつれ、経験と知識は増えるけれど、体力など肉体的な部分はどうしても衰える。
そして、若い頃に逃したチャンスや出会いもきっともう戻ってはこない。
遠い未来に思いをはせると同時に、今の自分はこのままのんびり生きていていいのだろうか、後悔のないようにもっと突き進むべき道があるのではないだろうか。
そんなことを考えた。

旅先での「一人」は、自分と向き合える気持ちのいい孤独を味わえる。
そしてそれがパリだからこその素晴らしい思い出も伴う。
読み終わった時に、やっぱりまたパリへ行きたいと思った。

映画も観てみたいな、DVDがでたら借りよう・・・。

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2008/01/01

映画「アメリ」

Amelie

「アメリ」
★★★★★
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演: オドレイ・トトゥ 、マチュー・カソヴィッツ

映画の詳細情報はこちら
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以前映画館公開時に観たのだけれど、パリのアパートにあったので久々に観た。

「アメリ」に関しては今更解説するまでもない気がするけれど、簡単に説明すると、パリに住む空想好きな女の子アメリ・プーランの物語。
全編絵本のようなあたたかさと美しい色彩に満ちた素敵な映画。

パリのレンタルビデオ屋さんでも、未だに目立つところに置いてあったので、パリジェンヌたちにとっても名作なのでしょうね。

前回観た時よりも、よりパリに詳しくなってから観たので「あ、ここはあそこだ!」など、登場する街並自体を楽しむことができた。
美術に徹底的に拘っているので、ある意味パリよりもパリらしさ満載な映画だと思う。
理想のパリという感じ。

自分の殻にこもっていたアメリが、周囲を少し突っついたら思いのほか反響が大きくて、周囲の人と関わる事が楽しくなっていくというところは、とてもかわいらしい。
ドミノとか、石投げみたいな感じ?
コツン、トッ、トッ、トッ、トッ・・・。
まぁ、少々暴走気味なところがあるのは否めませんが(笑
あとはアメリの恋愛の仕方とか少し首を傾げたくなるところもあるけれど、雰囲気を堪能できればいいやと思える類いの映画。

DVDにメイキング映像などもはいっていたのだけれど、そこで語られる監督の拘りがすごい。
実際に撮り始める前の、綿密なカメラテスト。
考え抜かれたアングル。
完璧主義者といってもいいくらいの姿勢。
これだけ拘っているからこそ、あれだけ美しい映画になったのだなぁと思った。
やっぱり、きちんとプロな仕事って気持ちが良いですね。

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映画「サーフズ・アップ」

Su1

「サーフズ・アップ」
★★☆☆☆
監督:アッシュ・ブラノン、クリス・バック

映画の詳細情報はこちら
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パリへ行く飛行機の中で観た作品。
自分で選んで観る事はないだろうなぁというタイプの映画。
飛行機の中ってそういう映画を観る機会があるから面白い。

南極に住むペンギンのコディは、小さい頃に出会った伝説のサーファー“ビッグZ”に憧れてサーフィンをしている。新人ながらもワールドカップに出場することになったコディは・・・という話。

全編CGアニメーションなのだけれど、そのリアルさにはびっくりする。
ペンギンの毛並みだとか、打ち寄せる波だとか、「へ〜これがCGねぇ」なんて関心しっぱなし。

テンポがよく、程よくギャグも挟まれるので、面白いといえば面白い。
でも、ストーリーはかなり使い古された印象で、CGアニメーションでなくリアルに人間のサーファーが演じたら駄作だったろうなぁという感じ。

好みの問題だと思うのだけど、私にはあんまり・・・でした。
テンポよく観られる軽い作品が好きな方には向いているかも。

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映画「I am Sam アイ・アム・サム」

Iamsam

「I am Sam アイ・アム・サム」
★★★★☆
監督:ジェシー・ネルソン
出演:ショーン・ペン、ダコタ・ファニング、ミシェル・ファイファー、ダイアン・ウィースト、ローラ・ダーン

映画の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パリで借りたアパートにあったので観た作品。

自閉症で7歳の知能しか持たないサムは、ルーシーの母親に逃げられ、ひとりで娘のルーシーを育てていた。だが、娘のルーシーが7歳の誕生日を迎える時、児童福祉局のソーシャル・ワーカーによって「父親として不適当」と判断されてしまう。

里親の元に連れて行かれるルーシー。
離ればなれになってしまった親子。
ルーシーと再び一緒に暮らす為に、サムは弁護士事務所を訪ねる。
そこで出会った弁護士リタは、はじめは世間体の為にサムの弁護士を無料で引受けただけだったが、次第に本気でサムを応援したくなり、奮闘する。
果たしてサムはルーシーを取り戻す事ができるのか・・・?という話。

とにかくルーシー役のダコタ・ファニングの演技が素晴らしい。
父親の知能をわかっていながら、父親としてたててあげるところ、無邪気に恋しがるところ、などなど。
ふとした時に見せる、達観した表情がこの役にぴったりだと思う。

サムは、子供のまま大人になってしまった人だ。
いわゆる名探偵コナンの逆バージョン。
自閉症がゆえに毎日の生活パターンには強いこだわりを持つ。
外食といえばアイホップのパンケーキで、ルーシーにねだられて行ったビッグボーイにパンケーキがないと知ると癇癪をおこしてしまうほど。

そんなサムは、「勝つ為の裁判」ができない。
事実を誇張して言う事や、自分の敵を悲しませる事をひどく嫌がる。
そういう姿を見ていると、大人になって上手く世の中を渡る事って・・・と考えさせられる。

敏腕弁護士のリタは、サムに心を許し弱音を吐く。
仕事をバリバリこなし、悩みなんてないように見えるリタは息子との距離感に悩み苦しんでいるのだ。
私が常日頃思っている、「どんな人にも必ずその人その人にとっての檻があって、その中でもがき苦しむことがある」という様子が描かれている。

この映画には悪人が全く出てこない。
最終的には登場人物たちはみなサムを好きになり、応援する。
結末に関しては賛否両論かもしれないけれど、私はあの結末でよかったのではないかなと思う。

強い親子愛で結ばれているサムとルーシー。
パリのアパートでワイン飲みながら一人大泣きする私・・・。
ほんと、家族愛ものには弱いんです。

この映画は、「もっとシンプルに考えなよ」っていうメッセージを投げかけている気がする。
「子育てがうまくいかない」「子供が自分になつかない」と子供にあたってしまう親がいたとして。
「じゃぁあなたは、子供に愛情表現をきちんとしていますか?」と。
決めつけて悩んでしまう前に、サムのようにストレートにするべき何かが絶対にあるはずなのだ。
そのストレートな行動は、絶対に相手の心を動かずはずだから。

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