« 屋根の上の喧嘩 | トップページ | きらきら爪先 »

2007/10/25

映画「 エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜 」

Piaf

エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
★★★★★
監督:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール、 シルヴィー・テステュー、エマニュエル・セニエ、 ジャン=ポール・ルーヴ

映画の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
観たい観たいと思っていた、エディット・ピアフの映画を観て来た。

パリの貧しい地区ベルヴィル(Belleville)に生まれたエディットは、母親にまともにかまってもらえず、やがて売春宿を営んでいた父方の祖母の元に預けられる。
娼婦のティティーヌに我が子のように愛されたエディット。エディットは一度失明してしまうのだが、ティティーヌや他の娼婦たちとともに聖テレーズに祈りを捧げたところ、奇跡的に視力が回復する。
だが、父親が迎えに来て、大好きなティティーヌたちと引き離されたエディット。
彼女はやがて路上でうたい始める・・・という話。

この映画の面白いところは、年代別に順序だってきちんと追っていないところである。
まるでコラージュのように、ぱっぱと切り替わり色々な年代が繋がっていく。
その結果、エディット・ピアフという人がきちんと浮き上がってくるのだ。

主演のマリオン・コティヤールが素晴らしい。
頭のてっぺんから足の先までピアフになりきっているとしか思えない。

彼女は若い頃の初々しいピアフから晩年の老人に見えるピアフまでを一人で演じているのだけれど、演じ分けが見事。若い頃路上でうたっていたピアフ、大物歌手となりマルセルと恋をするピアフ、よぼよぼのお婆さんになってしまったピアフ、そのどれもが違和感がなくそれぞれの年代の個性を十分に表現できている。
パンフレットでにこりと笑うマリオン・コティヤールは、映画の中で見たピアフとは全く別人に見える。
何を演じても同じようなキャラになってしまう俳優・女優っているけれど、本当の女優ってこうあるべきだ、彼女はプロだなぁとつくづく思った。

音楽は、殆どをエディット・ピアフの歌を吹き替えで使っているので、数々の名曲に浸る事もできる。
私はやっぱり「愛の讃歌」が一番好き。
愛するマルセルに捧げた歌、でもこの歌を披露する前にマルセルは亡くなってしまうのだ。
しかも、エディットに会う為に乗った飛行機の墜落で・・・。
この、マルセルが亡くなったことを知らされるシーンも非常に印象的だった。
マルセルの為にうきうきと朝食の準備をするエディットに告げられる死の知らせ・・・嘆き悲しむエディット、でも彼女は次のシーンではステージに立っている。
どんなに悲しいことがあっても彼女は歌わないといけないのだ。

彼女の人生は、まさに波瀾万丈。
歌手としての大成功の裏にある闇の深さに驚いた。
絶頂期に取り巻きに囲まれて、お酒を飲みながら楽しそうに騒ぐエディット。
プライドが高く、頑固で、癇癪を起こす事もある。
でも彼女は、愛情に恵まれず、本当はずっとずっと寂しかったんじゃないだろうか。

酒と麻薬に溺れ、晩年は40代にも関わらず老人のように老け込んでしまったエディット・ピアフ。それまでの生活のせいもあるだろうけれど、彼女は命を削ってうたってきたからこそ、そうなってしまったのかもしれない。

エディット・ピアフの持つ大きなエネルギーの渦の中に入る事ができるような、素晴らしい映画だった。
私は泣けました。

応援のクリックお願いします

|

« 屋根の上の喧嘩 | トップページ | きらきら爪先 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/158210/8611678

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「 エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜 」:

« 屋根の上の喧嘩 | トップページ | きらきら爪先 »