「MUTTONI THEATER ムットーニシアター」松屋銀座

招待券をもらっていたので、先日松屋銀座でやっていた「MUTTONI THEATER ムットーニシアター」へ行った。
ムットーニときいて、皆さん何を思い浮かべますか?
そんなファッションブランドがあったような気がする・・・という方は、おそらくミッソーニあたりと間違えています・・・。
ムットーニとはアーティスト武藤政彦さんの別名で、こちらの公式サイトを見てもらうのが早いと思う。
BOXタイプのからくりシアター作品を作っている人である。
以前訪れた世田谷文学館で知ったのだけれど、一目惚れ。
展示内容は、油絵とからくりシアターである。
もともと油絵を描く人で、描いた油絵を立体にしてみようと思いついたことがきっかけだったらしい。
油絵もどこか不気味でいい感じ。
平日の昼間なのに、思ったよりは人が多い。
からくりたちは、ただ動き続けているのではない。
ひとつひとつの作品には物語があるため、始まりと終わりがきちんとある。
まさに「シアター」
だから、受付では展示された代表作と新作約50点のタイムテーブルが配られ、客はめいめいの観たいBOXの前に足を運ぶことになる。
時間になると、ランプが灯り、BOXシアターが動き出す。
光と音とからくりで上映される小さな小さな世界。
時にはそれはキャバレーのショーであり、時には少年がみた夢であったりする。
彼の作品は、まるで子供の頃の、夜の遊園地のよう。
暗い中ぽつりと輝く夢のような世界がもたらす高揚感。
ここではないどこかに、さっと連れていかれる。
暗い会場にぼわんと広がっていく浪漫。
通常は、ナレーションが必要な作品には録音されたナレーションがついているのだけど、当日ムットーニさん本人が会場で一部の作品をナレーションをいれつつ公開する時間があった。
お客さんは殆どそこへ流れていくので、当然混雑。前は座り、後ろは立ち見。
ムットーニさんは話術に長けた方なので、すごく面白いのだけど、でも彼の作品は大勢でみると魅力が半減してしまう。
暗いところで、少人数、できれば一人で眺めたい作品なのだ。
だから、ムットーニさん生解説による上演を一度だけ観て、あとは空いている小さな作品をじっくり鑑賞した。
大小様々な作品が展示されていた。
大きな作品は例えば
荘厳なパイプオルガンの響きを背に天使が現れる「カンターテドミノ」
ビッグバンドと歌姫が繰り広げる華やかなステージ「サテライトキャバレー」
そういった大きな作品は人気も高かった。
でも私はどちらかというと、ちんまりした作品を1人2人で鑑賞するほうが好き。
一番心に残ったのは「ダンスノアール」
一寸不気味な音楽に合わせて骸骨男爵がラジオの中から笑いながら登場するという怖い作品。
あとは、
少年が父親からもらったオモチャのロケットが宇宙へ飛んでいく夢をみる「ギフト フロム ダディ」
宇宙飛行士がゆらゆら遊泳する「アロン ランデブー」
なんかもよかった。
今まで観た彼の作品の中で一番好きなのは、
世田谷文学館で観た
夏目漱石「夢十夜」をもとにした「漂流者」と
村上春樹「眠り」をもとにした「眠り」だ。
日常から一寸軸がずれたところにある異世界に誘われる目眩が起きそうな感じが大好き。
サイン会をやっていたので展覧会のビジュアルブックを購入してもらってきた。
ムットーニさんは饒舌で、お客さんと談笑しながらする和やかなサイン会だった。
繰り返し観ても飽きない、長時間楽しめる素晴らしい展覧会だった。
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