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2007年9月

2007/09/30

「MUTTONI THEATER ムットーニシアター」松屋銀座

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招待券をもらっていたので、先日松屋銀座でやっていた「MUTTONI THEATER ムットーニシアター」へ行った。

ムットーニときいて、皆さん何を思い浮かべますか?
そんなファッションブランドがあったような気がする・・・という方は、おそらくミッソーニあたりと間違えています・・・。

ムットーニとはアーティスト武藤政彦さんの別名で、こちらの公式サイトを見てもらうのが早いと思う。
BOXタイプのからくりシアター作品を作っている人である。

以前訪れた世田谷文学館で知ったのだけれど、一目惚れ。

展示内容は、油絵とからくりシアターである。
もともと油絵を描く人で、描いた油絵を立体にしてみようと思いついたことがきっかけだったらしい。
油絵もどこか不気味でいい感じ。
平日の昼間なのに、思ったよりは人が多い。

からくりたちは、ただ動き続けているのではない。
ひとつひとつの作品には物語があるため、始まりと終わりがきちんとある。
まさに「シアター」
だから、受付では展示された代表作と新作約50点のタイムテーブルが配られ、客はめいめいの観たいBOXの前に足を運ぶことになる。

時間になると、ランプが灯り、BOXシアターが動き出す。
光と音とからくりで上映される小さな小さな世界。
時にはそれはキャバレーのショーであり、時には少年がみた夢であったりする。

彼の作品は、まるで子供の頃の、夜の遊園地のよう。
暗い中ぽつりと輝く夢のような世界がもたらす高揚感。
ここではないどこかに、さっと連れていかれる。
暗い会場にぼわんと広がっていく浪漫。

通常は、ナレーションが必要な作品には録音されたナレーションがついているのだけど、当日ムットーニさん本人が会場で一部の作品をナレーションをいれつつ公開する時間があった。
お客さんは殆どそこへ流れていくので、当然混雑。前は座り、後ろは立ち見。
ムットーニさんは話術に長けた方なので、すごく面白いのだけど、でも彼の作品は大勢でみると魅力が半減してしまう。
暗いところで、少人数、できれば一人で眺めたい作品なのだ。
だから、ムットーニさん生解説による上演を一度だけ観て、あとは空いている小さな作品をじっくり鑑賞した。

大小様々な作品が展示されていた。
大きな作品は例えば
荘厳なパイプオルガンの響きを背に天使が現れる「カンターテドミノ」
ビッグバンドと歌姫が繰り広げる華やかなステージ「サテライトキャバレー」
そういった大きな作品は人気も高かった。

でも私はどちらかというと、ちんまりした作品を1人2人で鑑賞するほうが好き。
一番心に残ったのは「ダンスノアール」
一寸不気味な音楽に合わせて骸骨男爵がラジオの中から笑いながら登場するという怖い作品。
あとは、
少年が父親からもらったオモチャのロケットが宇宙へ飛んでいく夢をみる「ギフト フロム ダディ」
宇宙飛行士がゆらゆら遊泳する「アロン ランデブー」
なんかもよかった。

今まで観た彼の作品の中で一番好きなのは、
世田谷文学館で観た
夏目漱石「夢十夜」をもとにした「漂流者」と
村上春樹「眠り」をもとにした「眠り」だ。
日常から一寸軸がずれたところにある異世界に誘われる目眩が起きそうな感じが大好き。

サイン会をやっていたので展覧会のビジュアルブックを購入してもらってきた。
ムットーニさんは饒舌で、お客さんと談笑しながらする和やかなサイン会だった。

繰り返し観ても飽きない、長時間楽しめる素晴らしい展覧会だった。

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2007/09/29

それでもボクはやってない

41qlrvfbj8l_aa240_「それでもボクはやってない」
★★★★☆
1987年
監督:周防正行
出演: 加瀬亮;瀬戸朝香;山本耕史;もたいまさこ;役所広司

映画の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
十人の真犯人を逃すとも一人の無辜を罰するなかれ

痴漢冤罪事件をテーマにし、日本の司法の問題点を訴えた映画。
主人公の徹平は、転職活動中に乗った電車の中で女子中学生に痴漢だと勘違いされてしまう。
事情を訊くだけですから・・・と連れて行かれた駅事務室では事情等訊かれず、警察に引き渡されてしまう。
無罪の主人公は、そのまま勾留されてしまい・・・といった話。
以下、内容にふれます。

まず驚いたのが、当番弁護士が徹平に「認めちゃって、罰金払った方がいい」なんて、やってもいない罪を認めることを勧めたこと。本当はやっていないのに、認めちゃった方が楽だから認めろなんて明らかに歪んでいる。
「この弁護士何言ってるの?」と思うのだけど、後にその弁護士がそう言った背景とも言える、日本の刑事裁判の問題点が見えてくる。
「僕がやりました」と認めれば罰金を払うだけですぐに釈放されるのに、無罪を主張すると延々勾留と取り調べが続きそちらのほうが罰金よりも余程辛く、何より裁判にかかる期間も長過ぎる。
そして、その後無罪で釈放されるケースは3%程。
無罪でもどうせ有罪になっちゃうから、かかる期間や費用分戦うのは損だよっていう理屈なのだ。

この映画では、警察は頭ごなしに徹平を有罪と決めつけ「やったんだろ!」と怒鳴りながら調書をとっていく。
勿論、徹平に有利な証言は書かない。システムをよくわかっていない徹平は内容をよく確認もせず押印すればいいのかと押してしまい、後で困ったことになる。

以前も冤罪事件の映画を観た事があるのだけど、「何を言ってものれんに腕押し、糠に釘」な状況の恐ろしさってない。集団いじめのような気がしてしまう。
犯人と決めつけ、いかに自白させるかといった行為は、無実の人から見たら「悪意」以外の何ものでもない。四面楚歌、長い間その悪意にさらされ続けてしまえば、本人だってどこかおかしくなってしまう。
徹平はその苛立を心配してくれている友人にぶつけてしまう。

本来、裁判になった時には検察側が犯罪に関して立証しないといけないのだけれど、痴漢事件の場合は被害者の証言のみで進められてしまう。
だから、容疑者はいわゆる「悪魔の証明」をしないといけない。
当然ながら「無罪を証明する」ということは「有罪を証明する」ことよりもずっと困難なのだ。

徹平には、敵ばかりではなく勿論味方もいる。
弁護士、母親、親友、元彼女、同じ痴漢冤罪で戦っている人・・・などなど。
でも、それでも司法の壁は厚くて高く、無罪を主張する側の無力感を感じてしまう。
終始悶々とした思いを抱える映画で、結末にも納得がいかない。
水戸黄門が印籠を出したら正義は勝つのではないか!?という思いを、見事に裏切られる。
でも、それがこの映画の狙いだ。
視聴者に悶々とさせ、疑問を持たせ、考えさせるという・・・。

私もご多分に洩れず、痴漢冤罪事件について調べてみた。
それによると昨今では痴漢冤罪に対する問題意識の高まりにつれて客観的証拠が求められるようになっていて、「疑わしきは罰せず」の流れになっている。
一審判決有罪だったものが二審判決で無罪という事例が過去に何件もある。
もっとも、裁判官による差があるかもしれないけれど。

冤罪はあってはならないけれど、女性としては痴漢をした人が無罪釈放されてしまうことも許せない。
目撃者がいることが少ないうえに、被害者自身も犯人を確定できないことが多い痴漢事件においては、いつまでも何らかの問題が存在してしまい、永遠にすっきりすることはないのかもしれない。

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2007/09/22

翳りゆく部屋で覗いた夕焼け

Img_1758

写真じゃわからないのだけど、中心があって、そこから左右に流れるように広がっていた夕焼け。
この写真を反転して、右側に繋げるとそれっぽい。

実際に見ている時はマンションが背中にあるので、さすがに360度は無理だけど、180度くらいの視界の広さで夕焼けを見ているので、「ひゃ〜!!」っと一人感動しているのだけど、写真に撮るとその一部分しか見えないので「もっと素敵なのに」という思いを抱える・・・。

最近、風邪をひいたりとか体調不良のせいか、気持ちが落ち込みがちだった。
たまに、バイオリズムとかも関係するのか意識レベルで簡単に方向転換ができないことがあって。
そういう時はきれいな音楽を聴くとか、風通しをよくするとかするのだけど、きれいな景色をみるっていうのもすごく切り替えに役に立つ。
本当は外で夕焼け見ながら酒でも飲みたいのだけど、お隣さんとか通ったら恥ずかしいので見るだけ。
でもこの間は、キッチンで窓から夕焼けを見ればいいじゃんと思って、珈琲飲みながら見た。
ただ、キッチンの窓からだと、お隣のマンションが若干邪魔・・・。
そして、お隣のマンションの人がベランダに出たら私丸見え・・・。
「あの人こっち見てる!!」とか思われたら微妙〜。
だから窓全開の時は、薄暗いキッチンになかなか灯りをつけられなかったりする。

気持ちの落ち込みって何だか嫌なんだけど、起こることは仕方がないので、
速やかな対処方法を身につけていけばいいかな・・・と思う。
速やかに対処しないと何でもない事まで悲しくなっちゃったりして、被害拡大・・・。
深呼吸、深呼吸。

そういえば、窓辺で夕日で薄暗いってユーミンの「翳りゆく部屋」の世界?
すごく悲しい歌詞だけど好きな歌。

**********************
「翳りゆく部屋」
作詞・作曲:荒井由実

窓辺に置いた椅子にもたれ
あなたは夕陽見てた
なげやりな別れの気配を
横顔に漂わせ

二人の言葉はあてもなく
過ぎた日々をさまよう
ふりむけばドアの隙間から
宵闇がしのび込む

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも

ランプを点せば街は沈み
窓には部屋が映る
冷たい壁に耳をあてて
靴音を追いかけた

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも

**********************

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2007/09/21

洋食屋「銀座キャンドル」 チキンバスケット(銀座)

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三島由紀夫や川端康成などの文豪も愛した老舗のレストラン「銀座キャンドル」

「銀座キャンドル」といえば・・・
「元祖!世の中で一番おいしいと言われるチキンバスケット(1386円)」が有名。
「チキンバスケット」を日本で初めて紹介したお店。

バスケットの中身は
・フライドチキン(骨付きもも肉1つ、小さめの手羽2つ、ささみ1つ)
・ポテトコロッケ
・フライドポテト
・バタートースト
・オニオンリング

「量が少ない」という口コミもあったので、軽食のつもりで頼んだのだけど・・・
とんでもないです、すんごいボリューム。

フライドチキンは、鳥取県産大山鶏のひな鶏のみを使用しているのだそう。
小麦粉ではなく細かいパン粉をつけて揚げているので、ジューシーさを逃さないのだとか。

口にいれると、衣がさくっ、肉汁じゅわわ〜。
そして、普通フライドチキンってある程度肉に噛みごたえがあるものだと思うのだけど、こちらのお肉はとっても柔らかく、お肉の旨味を堪能できる。
ううっ、たしかにこりゃ美味しい。

チキンだけじゃなく、バタートーストも生クリームリッチ系の食パンの甘さと香りがあって非常に美味しいし、コロッケも衣がさくさくでシンプルでいいと思う。

ただ・・・私にはちょっと量が多かった。
肉を半量にしてサラダがつくとちょうどいいかな。

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銀座キャンドル
TEL:03-3573-5091
住所:中央区銀座7-3-6  有賀写真館ビルB1
営業時間:11:30〜23:00(平日)
     12:00〜22:00(土・日・祝日)
定休日:月曜(祝日の場合は営業し翌火曜は休業)

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2007/09/19

最後の息子 / 吉田 修一

51jqdm52vjl_aa240_「最後の息子」
★★★★★
吉田 修一
第84回文学界新人賞受賞作

書籍の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もし、自分の好きな小説ベストテンをつくるとしたら、絶対にいれる作品。

新宿でゲイバーをやっているオカマの閻魔ちゃんと同棲する、いわゆるヒモの主人公「ぼく」
小説全体は、主人公や閻魔ちゃんが撮影したビデオの映像を主人公が観返し、解説をいれる形で進んで行く。

安物のビデオで撮影したざらっとした質感とぶれ、無意味にも思える一寸した映像や声による記録。
それは灯りを消した部屋の中で煌々と蒼白い光を放つテレビのような、どこか不穏な空気を孕んでいる。
その不穏さを映像として見せられている、そんな感じ。
その一つ一つのエピソードがコラージュの素材になり、パズルのピースになり、かっちりとはまっていく。

閻魔ちゃんは時には少女のように純粋で、時には妻のように甲斐甲斐しく、時には母親のように愛情深い。その一方でオカマならではの発想を持っている。
この小説の一番の魅力は、閻魔ちゃんのキャラクターにあると思う。

「青年というからには、野心とか野望とか、そういった血腥いものが必要なのよ!分かるかしら?」
「・・・・・・」
「分かるかしら?」
「だっていつもは、暴力反対! 暴力追放! って言ってるくせに・・・・・・」
「そりゃそうよ。暴力は反対よ。でもね、正義のためにふるう暴力だけは必要なのよ」
「矛盾してるよ」
「あら、矛盾してるから、オカマなのよ」

閻魔ちゃんらしいこういう発言が、私はたまらなく好きだ。
そして、「ぼく」と閻魔ちゃんとのやり取りに漂う、どこかインテリな空気も好き。

この小説は、ただのゲイカップルの恋愛話には終始しない。
「ぼく」の学生時代の話、両親との話、元彼女との話、ゲイバーにくる客の話、殺された友人の話・・・それらが複雑に絡み合って、それぞれの人物を丁寧に描き出している。

ただ単に細かいエピソードを紡ぎ合わせて、何となくはじまって何となく終わるという最近よく見るタイプの小説ではなく、細かく練られたであろうプロット、伏線、最後のオチ、それら全てが気持ちが良いくらいよく出来ている。

何でこれで芥川賞をとれなかったのか心底疑問。
昨今の芥川賞受賞作よりよっぽどレベルが高いと思う。

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2007/09/17

オアシス / 生田 紗代

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生田 紗代
第40回文藝賞受賞作

書籍の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
主人公メー子は、ある日大事にしていた青い自転車を盗まれてしまう。
自転車を必死に探すこと。
自転車との思い出。
突然家事を放棄してしまった母親との確執。
気の合う姉サキちゃんや和美叔父さんとの楽しい会話。
コンビニでの気楽なバイト。
そういった毎日の何でもない事や小さな事件がぽつぽつと語られていく静かな話。

毎日毎日、具合が悪いと言ってはだらだら寝て、起きて娘がつくったご飯を食べて、偉そうに娘に説教をする。
娘2人に「粗大ゴミ」というあだ名までつけられてしまった母親のことを疎ましく思う一方で、邪険にも出来ずに所望された豚汁をつくってあげてしまう。そんな「腹がたつんだけど、心の奥底では愛しい」という、家族間の確執がうまく描けていると思う。

母の親指の爪はとても面積が広くて、そのざらざらとした手触りが、幼い私は大好きだった。昔はよく布団の中で、一生懸命母の親指の爪を触った。ちっとも滑らかじゃなくて、でこぼこしているその爪は、魔法のランプみたいに、擦るだけで私を眠りに誘い込んだ。
時々、まだ母の手にあの爪が存在しているのか、確かめたくなる。

このエピソード好き。
本当は昔の甘えることができた母親が好きで、それが恋しい気持ちと今の母親への幻滅がぐしゃぐしゃと混ざり合って苛立になっているのだと思う。
でも、昔の母親とのエピソードがこれだけで一寸物足りない。
母親としての役目を果たしていた頃の姿をもっと読者にみせることで、より話に深みがだせたのではないかと思う。

主人公が何故青い自転車に固執するのか。
その理由が明かされた時に、青い自転車でサイクリングをしていた描写が何度も出て来る意味に気付く。
うまいと思う。

そういえば、食べ物の出し方はとてもよく、チーズリゾットと鶏肉の鍋を食べたくなった。
美味しそうな食べ物を登場させる作家さんは、基本的に好きです。
それともそれは、私がお腹をすかせていたせい?

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2007/09/14

人のセックスを笑うな / 山崎 ナオコーラ

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★★★★☆
山崎 ナオコーラ
第41回文藝賞受賞作

書籍の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
39歳の美術専門学校講師のユリと、19歳の生徒磯貝くんの恋物語。

私がわりと好きな山崎 ナオコーラさんのデビュー作。
実は、あらすじだけを捉えると陳腐な作品である。
ユリに絵のモデルを頼まれた磯貝くん。モデルをするうちに惹かれ合う2人はセックスをする。そして不倫が始まり、2人はユリの旦那に隠れてユリのアトリエで逢瀬を重ねるが・・・という話。
これだけだと、昼のドラマ?というくらいどろどろの安っぽい劇を想像してしまう。

でも、この作品はそうではない。

ぶらぶらと垂らした足が下から見えるほど低い空を、小鳥の群れが飛んだ。生温かいものが、宙に浮かぶことが不思議だった。

こういう視点、鳥を生温かいものって捉えて、それが飛ぶ事の不思議を問う。それがナオコーラさんの作品の強い魅力だと思う。

そういう、はっとさせられる新鮮な表現に加え、「ああ、わかる、わかる」という感覚の小さなエピソードの繰り返し。
小さな出来事が、表現が、登場人物のキャラクターが、
ちくちくと寄り集まっていい曲線に形づくっている。
彩っている。
そんなかんじの話。

一寸とぼけたユリちゃんはモデル代として何故かタクアンをくれるし、
ユリちゃんの旦那の猪熊さんは不倫相手の磯貝くんににこにこと料理を振る舞い恵比寿にあるビール池の話をする。
この2人がどこか飄々としているから、不倫なのに悲劇もないし、どろどろにもならない。

タイトルのように、人にセックスを笑われるような場面があるわけではない。
客観的にみたら普通で時にはみじめで陳腐でも、当人同士は一生懸命愛を育んでいるんだからいいじゃないかっていう意味かな。

この作品の雰囲気は好きだったのだけど、終わり方はいまいちだった。予想外でもなんでもなく、本当に平凡な終わり方。
浮き世でランチ」も終わり方が好みじゃなかったのよね・・・。
惜しい。

永作博美さんと松山ケンイチさん、蒼井優さん、忍成修吾さんで映画化するそうで、観るのが楽しみ。
原作では、磯貝君を好きになったえんちゃんってちょい役だったのだけど、蒼井優さんがやるということは映画ではストーリーが大幅に変わるのかな。
***
※映画も観ました。感想は
こちら

【関連記事】
映画「人のセックスを笑うな」オールナイトイベント
『人のセックスを笑うな』音楽の夕べ

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2007/09/13

夕化粧をする白粉花

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夏のうちは薄暗くなってきてから咲き始めることから、夕化粧の別名がある白粉花(オシロイバナ)。
宵闇に、薄明かりの中白粉をふわりとのせて紅をさす、そんな色気を感じる名称。

イギリスでは、「four-o'clock(午後4時)」
フランスでは、「belle-de-nuit(夜の美人)」と呼ばれているそう。

子供の時分、黒い鐘のような形の種を爪でパチリと割って、
中に隠れている白い粉を顔や腕に塗って遊んだものだ。

花言葉は、「内気」「柔和」「あなたを思う」
色の白い大人しい子が、好きな人にそっと白粉花を渡す・・・とか、そんな場面を思い浮かべた。
まぁでも、落下傘にされて飛ばされちゃったりしてね・・・。

雨後の滴をまとって、色を濃くする小振りな白粉花はとても可憐。
最近の大雨は、嫌なものをざざーっと流す浄化の雨な気がする。
空気がどんどん澄んでいく。
オフィスに籠って仕事漬けの人も、家に籠ってうだうだしている人も、
一寸窓を開けて、深呼吸してみては?
脳内に悶々と居座る重たいあいつが、しゅるるーっととけて霧散してしまうはず。

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2007/09/12

キャンディーの色は赤。 / 魚喃 キリコ

41b1jngizl_aa240_「キャンディーの色は赤。」
★★★★☆
魚喃 キリコ

書籍の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
血液を思わせる、真っ赤な滴が垂れた装丁。
前作「Strawberry shortcakes」が「かわいくて甘くてもろいもの」だったのに対して、
赤いキャンディーは武装している。
血を思わせるその色で、硬さで。
でも、口にいれれば甘いし、歯をたてれば砕く事だってできてしまうもの。溶けてしまうもの。

短編集。
内容は、いつもの魚喃さんらしい「浮気」「別れ」「恋愛の始まり」「片思い」「苦しみ」などの要素がつまったもの。
魚喃さんの年齢に従って登場人物の年齢も上がり、
近所の小学生の子を娘のようにかわいがる人、
好きな人に合わせてしていた無理をやめた人、
毎日家庭のご飯をつくっていて恋するドキドキから遠ざかっている人、
二十代前半の男の子をかわいいと思う人・・・などなど。

魚喃さんの漫画は、その「間」が最高に好き。
一瞬を切り取った構図、画面は白くてもみっちりぎゅっと濃いものが詰まっている。

セリフもなく、小説と漫画の中間のような短編も多い。
以下、「7月4日、8月12日、東京というジャングルがあたしは好き。」より一部抜粋。


8月12日。

濃い黄色のモンシロチョウが、
歩くわたしの目の前を
上から下や右から左に、ひらり、ひらり。

なにかに似ていると思ったら山吹。
山吹の花びらの濃い黄色、が
ゆれるさま。
あたしは山吹(特に平たく、それこそ
モンシロチョウみたいに咲く種類の
ほう)が好きだ。

あたしはまだ恋をしている。

真っ青な空を舞うモンシロチョウと恋心。
こういうの好きだな〜と思う。

何歳になっても、恋して、悩んで、傷ついて、寂しくなって、また出会って・・・前へ進む。
身体全体でぶつかって、もがいて、血まみれになっていた若い頃と違って
歳をとると、もっと静かだ。血だって、わずかに滴るくらい。
でも、若い頃より物わかりがよくなっちゃって「諦めること」も増える。
その代わり同じ「辛い」でも、経験が解決し、新たな知恵を授けてくれるものだ。


新しい生活は、
とつぜんに始まる。

個人的に好きなのは「恋のはじまりにすべて未来があるわけじゃない。」
小さな飲み屋さんの21歳の男の子に恋をしちゃった主人公が、酒飲んで煙草スパスパ吸いながらその男の子とくだらない話をする・・・という話。
魚喃さんの描く登場人物によくいる、「恋を悟られない為に、あえて男っぽく粗野にふるまう女子」の図。
10歳とか歳はなれていたらなおさらだよね・・・そんな主人公がかわいい。

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ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展  アリス、あるいは快楽原則

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幼少期と夢は、想像力を生み出す
基本的な源泉の一つである。
シャルル・ボードレールが記しているように、
想像力とは、人間にそなえられた諸能力の女王である。
自分たちがその王国の住人だと
我々は自覚している。
このアリスの鏡の国で は、快楽原理、すなわち
際限ない自由が君臨しているのだ。
(亡き妻、エヴァの代わりに この文章を書いているが、彼女も同意してくれることを願ってやまない)

(ヤン・シュヴァンクマイエル)

ラフォーレミュージアム原宿でやっていた、「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展  アリス、あるいは快楽原則」を観て来た。

場所柄、訪問者は若者が多い。髪の毛が赤かったり、いかにもパンクなファッションの人なども。
若いうちからアートに触れるのは良いことなのだけど、非常に香水臭いエリアが・・・。
展示を観に来る時は、香水は控えめに・・・残り香嫌です・・・。
そういえば、葉加瀬太郎のような髪型をして、葉加瀬太郎のような顔をして、葉加瀬太郎のような服を着た人がいて、ついつい気になっちゃいました。
(注:本人ではありません)

展示内容は、以前葉山で行ったものに書籍版アリスや人間椅子がプラスされた感じ。
葉山の神奈川県立近代美術館の方が広かったけれど、展示数自体は今回の方が増えているらしい。
ちなみに映像作品の上映はなし。

今回、あえて「ヤン&エヴァ」となっているのは、2005年に亡くなってしまったエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーへの追悼の意が込められているのだろうか。
公私とものベストパートナーを失う事、その大きさははかりしれない。

展示は、おおまかにわけると、「コラージュによる空想上の生き物たち」「エヴァの絵画」「今までの映画で使われた人形やイラスト」「視覚から触覚を刺激する立体物たち」といった感じ。

私は、エヴァが描く「いかにもシュルレアリスムな絵」はあまり好みじゃない。
色は綺麗だし嫌いではないのだけれど、何でかな、あのどっしり感がぴんとこない。
でも、映画「アリス」や「オテサーネク」など、ヤンの作品の中でみる彼女の絵は、作品の世界にこれ以上ないくらいぴったりで好き。

あと、ヤン単体のフロッタージュやエヴァ単体のイラストに比べ、共同制作のリトグラフの方が格段によかった。
ヤンの力強い足跡のような不思議な生き物のフロッタージュに、エヴァが描く柔らかい女性が加わる事で深みが増している。
それぞれの作風が、非常に相性がいいのだろうな。
相乗作用、素晴らしい。

41tmjgsy6nl_aa240__2個人的には、アリスの展示が一番楽しめた。
映画の場面と照らし合わせて、「あ、これアリスが開けようとしたら取っ手がとれた机か〜」とか「白兎の胸元にはちゃんと安全ピンが留まってるわ」とか「あれ、三月兎の手にバターがないぞ」とかとか・・・。
書籍版アリスの原画も楽しかった。
(映画「アリス」の感想はこちら、書籍「不思議の国のアリス」の感想はこちら

江戸川乱歩原作『人間椅子』のために描かれたイラストの原画を世界に先駆け公開していた。
ヤンが表現すると、怖いというよりやはりどこかコミカルで憎めない怪物になる。
そういえば人間椅子、読んでみたかった。
映画「人間椅子」も気になっていたけれど、あれはもう終わっちゃったのかな。

そうそう、ああいう大きな立体物をつくるアーティストって、保管大変だろうなぁといつも思います。

帰り道、専門学校の一角でやっていた、たまたま目についた個展を観て来た。
絵と球体間接人形と人形用のバレエ衣装の展示。
じーっと観ていると、個展を開いた方が一言。
「◯◯さんの知り合いですか?」
あれ、私前もこんな風に展覧会で関係者に間違われたような・・・そういうオーラだしているのかしら・・・(笑

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2007/09/10

ALICE アリス ヤン・シュヴァンクマイエル

51d2kq9pqyl_aa240_「ALICE アリス」
★★★★★
1987年
監督: ヤン・シュヴァンクマイエル
原作:ルイス・キャロル
出演:クリスティーナ・コホウトヴァー

アヌシー映画祭最優秀長編アニメーション映画賞受賞

映画の詳細情報はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ルイス・キャロル原作「不思議の国のアリス」を実写と人形アニメーションとをあわせてつくりあげた映像作品。
制作に3年の歳月がかかっているそう。

アリスは、自分の部屋にある兎の剥製が突然動き出す場面を見てしまう。何で子供部屋に兎の剥製があるの?という疑問はさておいて。
兎を追いかけ、机の引き出しの中に入り込んだアリス。
机の引き出しの中から別の世界へ行くっていうと、ドラえもんっぽい。
そこで不思議な体験をする・・・といったお話。

アリスというと、やはりディズニー映画が有名だけれど、ああいうかわいいファンタジーとは対局に位置した作品。
でてくる生き物たちはみんな不気味。
鋏をジャキンジャキンと振り回して首を切る白兎、卵から生まれる白骨の生き物、靴下の芋虫、ぜんまいを巻かないと動けなくなる三月兎は懐中時計にバターを塗り続け、帽子屋は木製の人形なのに紅茶を飲み続ける・・・などなど。
アリスだって、飲み物を飲んで小さくなってしまうと人間ではなく人形になってしまう。その人形アリスが動くのだからそれもシュール。
ディズニーだったら「次にはどんな面白い事が?」と期待しながら観るのだろうけれど、これは逆に次はどんな怖いことが起こってしまうのだろうという視点で観てしまう。
でも、子供の頃に想像した世界って必ずしも綺麗な夢物語ばかりではなくて、悪夢もみたと思うし、極めて子供の視点に近いアリスの世界であるように思う。ルイス・キャロルが描いたアリスの世界自体がかわいくてきれいなものではなく、アリスを取り巻く登場人物たちがどこか不条理で不気味でそこにひかれていたように思う。そういう意味ではルイス・キャロルの世界感に近いのではないかと思う。

人形アニメーションがやはり面白い。
ネズミの人形がアリスの頭のうえで煮炊きをしようとする場面では、ネズミがあけた小さな缶詰からちゃんとトマトや豆、米などがでてくる。そういうお人形サイズの食べ物って好き。
子供の頃、テレビでやっていたクレイアニメとか大好きだったなぁって思い出した。
この「アリス」は大人の為の作品だという人が多いけれど、案外子供も喜んで観るのではないかな。
私だったら、子供の時分でも虜になっていた気がする。そういう、子供のツボを刺激する要素が一杯つまった作品だと思う。

そして、アリス役のクリスティーナ・コホウトヴァーの仏頂面がかわいい。
アリスのイメージにぴったりだと思う。

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2007/09/08

台風が持っていったもの

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台風一過。
曇って淀んだものも、薄汚れた破片も、何もかも台風がかっさらってしまった。
清々しい夕焼け。

ハチクロのはぐちゃんが言っていたように
この世の中には無数の箱があって。
興味のアンテナを多方向に伸ばせば伸ばすほど
開けなければいけない箱の数が増えていく。
その膨大な数に時折目眩をおぼえながらも
開けて咀嚼して血と肉にしていくこと。
もっともっとスピードアップしなければなーと思う。
私の場合、食べた後の昼寝が長すぎるってかんじがする。
あまりのんびりしていると、開けられる箱の数が減ってしまうから。
でもあまり急いでも消化不良になってしまうから
適度が大事で適度が難しい。

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2007/09/07

空想から現実に変わる時

Img_1665_2空想にとどまらず・・・再来月に旅行することが決定!!
行き先は、巴里パリ。
私って、ほんと火がつくと止まらないタイプだなぁと思う。
ここのところ、パリ関係の本ばかり読んでいて、さらにはNHKフランス語講座まで見ようという意気込み。

と・こ・ろ・が
9月はどうやら4月からの集大成の月らしく
何言ってんだか全然わかりゃしません。
その前の時間にやっていた英語講座は英語なだけに何言っているかだいたいはわかったのだけど、さすが手つかずのフランス語。耳で聞くだけじゃ何の事やらさっぱり。Combien(いくら) だけは、前回の旅行で覚えておいた単語のひとつなのでわかったのだけど・・・。

こんなことなら第二外国語で中国語なんてとらずにフランス語をとっておけばよかったのに。
ちなみに中国語はテストが簡単だという周囲の助言により選択しただけで、今では
「私は◯◯(本名中国語読み)です」
「美味しいです」
「図書館にはたくさんの本があります」
「1〜10」
くらいしか言えません・・・。

今回新たに覚えたのが
Bien sûr.
(もちろん)

これだけわかってもね・・・って話ですよね。

そうそう、近々旅行専用ブログを立ち上げようかなと考えてます。
なんならホームページにしちゃえばいいような気もするのだけど、Winでちくちくサイト作成をしたことはあっても、Macでしたことがないのでなんとなーく尻込みしている私。
Macだと、秀丸くんの代わりに何でソース書くと書きやすいのかなぁとか、Macできれいに表示できてもWinだとずれているかもなぁとか・・・。
言い訳ばかりしているうちは、多分本気でやる気がないのだと思うのだけどね。
とりあえずブログではじめておこうっと。

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2007/09/05

パン屋「東京フロインドリーブ」(広尾)

Img_1736

現在、仮店舗で営業中のドイツパン屋「東京フロインドリーブ」
仮店舗でも、かわいい店構え。
大正13年(1924年)にドイツ人 ハインリッヒ・フロインドリーブ氏が開いた『神戸フロインドリーブ』の姉妹店だそう。

Img_1744

クロワッサンとけしの実餡のパイ(?)けしの実の方は名前がうろ覚えですが・・・。
クロワッサンはパリパリザクザクで、中心部はしっかり豊かなバターの香り。軽くて美味しい。
けしの実の方は、中がしっとりとしていてこれもまた美味しい。

Img_1748

シンプルなパンは、3つで100円のパックになっていた。
当日焼いたものと書いてあったので、夜だからお得パックになっていたのかな。
素朴で飽きない美味しさ。

Img_1746

壊れやすいからか、クロワッサン等はかわいい箱にいれてくれた。
ロゴがレトロでいいなぁ。

パンの種類が非常に豊富なので、また買いに行ってみたいお店。
ケーキや焼き菓子も美味しそうでした。

=============================
東京フロインドリーブ
TEL:03-3473-2563
住所:東京都渋谷区広尾5-1-23
営業時間:09:00〜19:00
定休日:水曜日
HP

=============================
※仮店舗は従来店舗より南方明治通りへ徒歩2分。
 渋谷区広尾5-18-7 
 いつまで仮店舗営業中かはわからないので、ご来店の際はお店にお問い合わせ下さい。


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[シュヴァンクマイエルのキメラ的世界]と[日比谷カタン]をチェコセンターに於いて鑑賞する悦楽共犯者たち。

Skwタイトルが滅茶苦茶長いですが、正確には

[シュヴァンクマイエルのキメラ的世界]と[日比谷カタン]を
2007年9月4日(火)チェコセンターに於いて
鑑賞する悦楽共犯者たち。

というイベントです。

チェコ共和国大使館 映写室で、ドキュメンタリー映画「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」上映と日比谷カタン ギター弾き語りライブをやるというもの。

私は早めに知ってすぐ席を予約したのでとれたけど、その後すぐSOLD OUTしてしまったみたい。

予約時に、「大使館内なのでセキュリティが厳しいんですよー」なんて言われてドキドキ。
広尾駅からてくてく歩く・・・が・・・道がわかりづらい。
チェコ共和国大使館にのっていた地図がアバウトすぎるせいなのか、私が方向音痴だからなのか。

Img_1740_2

迷いつつ地図を見つつなんとか辿り着く。
落ち着いた一階で受付をして階段を降りると・・・

Img_1741

チェコの国旗と日本の国旗。
仲良しってかんじでいいね。

[シュヴァンクマイエルのキメラ的世界]
肝心の映画はというと、フランス人監督ベルトランシュミットがヤン・シュヴァンクマイエル監督と、エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫人を追ったドキュメンタリー。
目次にあたる、ヤン&エヴァの写真を使った解剖図がなかなか凝っていて面白い。
解剖図のイラストの顔の部分だけヤン&エヴァになっていて、時にはエヴァがヤンの腕を食べ、時には首を交換したりする。

CGをあえて使わずに、手作りに拘るというヤン。
だからこそCGにはだせない絶妙な味がでる。
オテサーネクの製作現場もでてきて、こんなに沢山の木を用意していたのだな〜とか、あの場面はこうやって撮影したんだ〜などなかなか面白い。

ヤンとエヴァは夫婦でありながら、アーティスト同士。
時にはぶつかり、時には相手に任せ、共同製作を行う。
夫婦で同じ映画に関わるっていうと、市川崑監督と和田夏十さんみたい。
ともに同じ夢をみて、刺激を与え合い、世界を広げていく。
なんて理想的な夫婦。

ヤンは、映像制作にとどまらず、絵画やコラージュなど様々な手法で作品をつくる。
彼によると、ひとつの手法で終わってしまうのはアーティストとして怠慢なのだそうだ。
方法を模索してみる、ということはたしかに大切。
でも私は、その結果ひとつに絞るのはありだと思う。

2人の自宅には、お手製の独特な彫刻だらけ。
「何で彫刻を置くのか?」という問いに「何て馬鹿な質問。彫刻のない生活なんて考えられないから」といった答えを言うエヴァ。彫刻が生活の一部なんだ、ということが新鮮。

創作意欲を分けてもらえるような、そんなドキュメンタリー。
ヤンもエヴァも私よりずっと歳上なのに、無邪気で純粋なところがかわいい。

[日比谷カタン]
日比谷カタンさんのことは、実は全く知らなかったのだけど、
【カタン】は日比谷さんに多大な影響をもたらした球体関節人形作家 天野可淡さんからとっているのだそう。
シュヴァンクマイエルからも影響を受けているそうで、ということはKATAN DOLLもシュヴァンクマイエルも好きな私は好きかもしれない?とちょっと期待をしていた。

演奏始めはなかなか彼という人を量りかねて、世界にはいっていけなかった・・・。
ヴィジュアル系っぽいような裏声でうたうこともあれば、詩人のように語り出したり、甲高い声をだしたり様々な声色を操るので「え、どういうテンションでやっているんだろ・・・」って少しひいてしまった。大真面目なのか、ナルシストなのか、計算づくなのか・・・。
はじめは数名、席を立って帰ってしまう人もいた。
でも、途中曲と曲の合間に喋り出してみれば、噺家みたいで喋りが面白い。
「ああ、計算づく確信犯タイプの人か〜」とちょっと安心した。鳥肌実みたいな?(多分例えが違う
天野可淡さんとシュヴァンクマイエルが好きっていうのと、掲載されていた写真とで、寡黙な人をイメージしていただけに、意外性があって面白かった。

入り口で、「いまわのきわに触りたいもの」というアンケートを書いたのだけど、それを日比谷さんがいくつかピックアップする時に私が書いたものが一番クローズアップされた。ちょっと嬉しい。

そんなかんじで、会場があたたまってからはなかなかいいかんじ。私は音楽に関しては素人なんだけど、ギターとか非常にうまい人と思う。
余韻が残る不思議な人。

演奏終了後は、チェコ共和国大使館一等書記官ペトルさんからのご挨拶。
日本語の上手な陽気なおじさまで、笑いもしっかりとっていた(笑

Img_1743

最後には、チェコビールがふるまわれた。
これだけ楽しんで1500円。
なんてお得♪

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2007/09/04

ナマケモノにお花の香り

Img_1717_2

先日贈り物用に買ったお花。
多分お花の精ってこんな顔(落書き
お花の香りのイメージって、人を幸福にする。

最近一寸貧血で、ナマケモノ時期。
そういう時期こそ、いい香りってすごく気持ちがいい。

そういえば、鷲の餌の3分の1は、ナマケモノが占めているらしいですよ。
・・・なんか涙でそう。

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2007/09/03

美内すずえと「ガラスの仮面」展 / 世田谷文学館

Img_1726世田谷文学館でやっていた、美内すずえと「ガラスの仮面」展へ。

みなさんご存知だと思いますが、「ガラスの仮面」って、本当に名作だと思うのですよね。
劇中劇をはじめ、あの濃さは何!?という素敵な漫画。

マヤが一度観た劇のセリフを全て覚えてしまうところとか、月影先生の「マヤ、おそろしい子!!」とか、何か驚くようなことがあると登場人物が白目になるとか・・・とにかくインパクトもあればつい笑ってしまうような場面も多くて・・・。

芦花公園駅からてくてく歩く事数分、世田谷文学館へ。

チケット(500円。安っ)を買って会場の方へ行く途中、階段にはマヤや亜弓の出演した芝居のポスターが貼ってある。「ひとりジュリエット」に「王子とこじき」など。
そして、受付の横には紫のバラの人からのお花が!

展示では、美内先生の生原稿が、ガラカメの歴史とともにずらーっと並ぶ。
原画ってこんなに色鮮やかで細やかなものなんだなぁと思った。
印刷されたものとは迫力が違って、これは立派なアートだと思った。

Img_1725

展示では、マヤの部屋「白百合荘」が再現されている。
卓袱台の上にはタイヤキとか、畳の上に紫のバラの人からの手紙がおいてあったりとかいちいち芸が細かくて面白い。

あと、「女海賊ビアンカ」の舞台も再現されている。
跳び箱にネットに裸電球・・・なかなかいい雰囲気だった。

2006年に国立能楽堂で新作能として委嘱・初演された「紅天女」の装束の特別展示もあり。

入場料のわりにかなり充実した展示だった。

Img_1727館内にある喫茶店「どんぐり」では、期間限定で「マヤセット」(たい焼きとお煎茶)と「亜弓セット」(クイーンマリーと薔薇のマドレーヌ)があった。

マヤが食べるたい焼きって美味しそうだったよなぁとか、亜弓さんがばあやに頼むクイーンマリーってどんな味なんだろうって思ったよなぁとか、なかなかツボを押さえたセレクション。
でもなんで亜弓さんに紫の薔薇のマドレーヌなのかなぁ・・・。薔薇を背負っているイメージの人だから・・・?(笑

薔薇のマドレーヌにひかれたので「亜弓セット」を注文。
でも、注文時に「亜弓セットで」と言うのはちょっと恥ずかしい・・・。

窓側の席からは中庭が見える、なかなか素敵な喫茶店。
でも店員さんが新人なのか、ソーサーの上に紅茶溢れまくり。
そして、それでもカップの中にはなみなみと紅茶が・・・ある意味サービスがいい・・・。

マドレーヌは、横浜の山手ばら園のもの。
かわいくて美味しかった。

チケットを購入すると常設展示の閲覧も可。

「文学に描かれた世田谷 100年の物語」すごく良かった。
森茉莉の生原稿が・・・それだけで涎でそう。
茉莉がパッパ(森鴎外)に買ってもらったネックレスなんかも展示してある。

「ムットーニのからくり書物」の上演も、よかった。
簡単に説明すると、音楽や既存の小説をイメージしたからくりを音楽や朗読と一緒に動かすという仕掛け。
光ったり動いたり、様々な仕掛けで小さな人形が動く。
私が好きな、ちょっと不気味で綺麗な世界感。
いいもの発見。
ちなみにムットーニとか言うと外国人っぽいけど、日本人・・・。

Img_1728

世田谷文学館の敷地内には鯉もいる。
雰囲気のいい文学館だった。

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