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2007/07/08

時をかける少女

「時をかける少女」
2006年
監督: 細田守
声優:仲里依紗 、石田卓也 、板倉光隆 、原沙知絵

HP
★★★★☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Kaba24023高校2年生の紺野真琴は、同級生の間宮千昭と津田功介と野球をしたりして3人仲良く過ごしている。
真琴はある日、理科実験室で奇妙な胡桃とぶつかり不思議な体験をする。その後、自転車のブレーキの故障で電車に衝突しそうになった時に時間を跳躍して事故の前に戻ってしまう。
叔母の芳山和子に言われて「タイムリープ」の力を手に入れたと知った真琴は、美味しい物を食べる為、楽しい事を何度もする為、失敗を無かった事にする為、・・・と些細な事にタイムリープの力を使い続ける。
ある日、千昭から予想外の告白を受けた真琴は、いつまでも3人で仲良く過ごしたいと「タイムリープ」を使い、告白をなかったことにしてしまう。そこから段々、3人の関係に変化が訪れ、タイムリープで変えた過去のせいで問題が起こっていく・・・といった話。
以下、内容にふれていきます。

私は原作を読んだ事もなければ、実写版も見た事がないのだけど、原作及び実写版の主人公「芳山和子」が、今回のアニメ版の主人公の叔母にあたる。映画版は原作の約20年後を舞台にした続編であるらしい。
自身もタイムリープの経験があったからなのか、和子は真琴に「タイムリープは真琴くらいの歳の子にはよくあることよ」なんてさらっと言ってしまう。真琴はそんな彼女のことを「魔女叔母さん」と呼ぶ。

この映画は、真琴のパワーに引っ張られて、勢い良く展開していく。
タイムリープをする時に、真琴は勢いよく走り、どこかに激突する。
遅刻も失敗もなかったことにして、いいことは何度も味わって、まさに人生薔薇色の真琴。
まぁ、プリンくらいもう一回買ってもらえよと思わなくもないが・・・。
ただし、真琴が過去を変える度に、そのとばっちりは周囲にいく。
真琴が失敗するはずだった調理実習では他の男の子が失敗し、それが原因でいじめに発展してしまう。
魔女叔母さんが言うように、真琴の代わりに誰かが不幸な目に遭っているのだ。

真琴は思いがけず千昭に告白されてしまう。
千昭に告白されたことをタイムリープでなかったことにして、ついつい千昭を避けてしまう真琴。
そんな時、友人の友梨に千昭をとられて気付く千昭への恋心。ちょっとベタな少女漫画的展開とはいえ、千昭が真琴ではなく友梨を見ているところ、友梨と話しているところを見た時の真琴の切なさが胸に染みる。千昭はきっと、真琴に冷たくされてしまったから告白してくれた友梨と付き合っちゃったんでしょうね。なんかこれ、青春だ・・・。意識しているから避けちゃうのに、嫌われているって思われちゃって、結局別の人と付き合われてしまう・・・結構世の中の中高生にある展開なのでは。

真琴の望み、男友達と3人でずっと・・・現実にはお互い彼氏や彼女ができたら壊れてしまう関係なんだけど、でも心地がいいから続く限りずっとそうしたいって思う気持ちもなんかわかる。

後で、告白をなかったことにした自分のひどさに胸を痛める真琴。
真剣な相手の気持ちに無理矢理蓋をしてしまったようなものだものね・・・。

和子叔母さんが真琴に言う言葉が印象的だ。

「待ち合わせに遅れた人がいたら、走って迎えに行くのがあなたでしょ?」

その言葉通り、最後のタイムリープを使って戻り、走って走って千昭の元に行く真琴。なかったことにしてしまった「告白」をきくために・・・。
タイムリープのことなんて知らないふりをして、真琴から千昭に告白してしまうという選択肢もあったはずだ。
真琴と両思いになったら千昭だって現代に残ることを選んだかもしれない。
でも真琴はタイムリープのことを知ったと正直に話してしまう。つまり、千昭との別れを選択してしまう。
真琴は、千昭にとって元の世界に戻ることが幸せなのだと決断したのだろう。
大切な人なのに、もう二度と会えない。
最後の夕暮れの土手の場面が切ない。

過去を変えてしまうことの残酷さ、その重さ、完璧な過去なんてつくれないこと・・・そして理想の未来は走って自分で勝ち取るもの、そういったことが伝わってくる映画。
何よりも青春のほろ苦さや切なさでじんわりくる。
いい映画でした。

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