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2007/06/17

KATAN DOLL/天野可淡

Katan「KATAN DOLL」
★★★★★
天野可淡
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球体間接人形作家、故天野可淡さんの人形作品集。1989年に出版されたもの。
可淡さんの作品集は他に1990年に「KATAN DOLL fantasm」、1992年に「KATAN DOLL RETROSPECTIVE」の3冊がトレヴィルより出版されている。

トレヴィルが倒産した際に絶版となり、3冊とも入手困難だった。私はどうしても欲しかったので3冊とも手に入れたけど。トレヴィルは低価格でいい本ばかり扱っていたので、倒産の打撃が大きかった人って結構いるんじゃないだろか。私も未だに古本屋さんでトレヴィルの本を見つけると全て集めたくなってしまう。
なお、1998年には、トレヴィルの出版精神を受け継いだ「エディシオン・トレヴィル」が創業しているが、トレヴィル時代の本の再販をしているわけではない。

最近やっと復刊ドットコムで復刊が決定したらしい。復刊ドットコムでは7年前には投票がはじまっていたはずなので(私も投票した)、結構時間がかかったと思う。

可淡さんの作品との出会いは高校生の頃。
その世界観に私は言葉では言い表せない程大きな影響を受けている。
デザイナーに、ものをつくる人になろうと思った時に、私は可淡さんの人形をモチーフに鉛筆でがりがり絵を描いていたことが思い出される。
人の心の奥底にある忘れていた何かをずるりずるりと引き出してくれるような、自分の中に棲んでいる未知の感覚と出会えるような、そんな作品集。

可淡さんの作品集は、写真だけではなくて文章も素晴らしい。
下記、一部抜粋。

しかしながら、人間とはエゴイスティックな生き物です。裏切りの無い、安心の中での愛には、いつか欠伸をします。愛するだけの一方的な愛にはいつか疲れ、その対象を置き去りにするのです。そして彼女たちはいつしか忘れ去られ、蔵の中に捨てられてしまいます。それは人形たちにとって、死よりも恐ろしい出来事です。そんな悲劇が起こることの無いように、私はあえて彼女たちのガラスのリボンを解きます。人に愛されるだけの人形ではなく、人を愛する事のできる人形に。常に話しかけ、耳をかたむけ、時には人の心に謎をかける人形に。
注意深く、彼女のガラスのリボンを解くのです。それが私の仕事だから。

私もいつか、「それが私の仕事だから。」と言えるものに出会いたい。

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