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2007/05/18

オブ・ザ・ベースボール

「オブ・ザ・ベースボール」

円城塔
第104回文學界新人賞受賞作
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一年に一度、空から人が降って来る不思議な街「ファウルズ」
周囲を麦畑に囲まれていて、何もない退屈な街。
落下者を救助する為のレスキュー・チームの一員である主人公は支給されたユニフォームと野球のバットを身につけて街を守っている・・・といった話。

一年に一度、空から人が降って来る街という設定は面白い。
文章も、小説に必要な絶対音感があり、書き慣れた感じがして非常に落ち着いている。

主人公が街やレスキュー隊の仕事の内容の説明を始め、空から人が降ってくる事の原因の推測や巷の噂、学者たちの説などを話していく。
これがまた、場面に動きが感じられずひたすら足踏みな感じ。
プロローグが永遠に続いて行くような目眩がする。
小説全体がまるで時が止まったようで、生き生きとしたキャラクターが一人もいない。
「ファウルズ」は退屈な街らしいけれど、小説全体にも重苦しい熱帯夜の空気のようなものが充満していて、その周りをビニールで覆われていて逃げ道がないような感じ。

すぅすぅはぁ・・・久々に、退屈すぎて酸欠になってしまいそうでした・・・。
一度読むのを中断しようかとさえ思ったくらい。

好みが別れる小説だと思う。
実際、選考委員の浅田氏は「問題外だと思っていたので◯が二つついたことに驚いた」と言っており、川上氏は「きれいにまとまっている」と評価している。

私は、人と人の関わりがあって、動きがあってこそ小説だと思うので、どうしてもこの手の小説は好きになれない。

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コメント

待ってましたよ! *yuka*さんの感想。
私の敬愛する松浦寿輝も小説はアクションだと書いていましたね。仰ること非常によくわかります。私も何度も「あと何ページあるんだ?」と確認しながら読みました。
とはいえ、私は褒めちゃいましたけど・・・。というのも、退屈~と思いながらも読み切っちゃった、というのがほとんど奇跡的なことかな、などと思えました。
「舞い落ちる村」の感想も楽しみにしています。なんて、強制してはいけませんね。

投稿: Lydwine | 2007/05/18 01:39

ありがとうございます〜。
魅力ある人が出てこないと、なんだかドキュメンタリーか何かを読んでいるようなのですよね・・・。
なるほど、そういう解釈の仕方もあるのですね。
Lydwineさんの感想も後でじっくり読ませてもらいます。
「舞い落ちる村」の感想も続けて書いたので、良かったら読んで下さい(笑

投稿: *yuka* | 2007/05/18 02:16

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