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2007/05/24

キッズ・アー・オールライト/岡田 智彦

51fxej5wh1l_aa240_「キッズ・アー・オールライト」

岡田 智彦
第三十九回文藝賞受賞作

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リレキショと同時受賞の作品。

ビリィの右手はカニはさみのような形で、手当り次第に何でも破壊する。
やくざの隠し子で不良の「おれ」は、親父の逮捕をきっかけにやくざたちとの抗争を始める・・・といった話。

以下、内容にふれていきます。

「おれ」は躊躇することなく暴力をふるうことができ、喧嘩にも滅法強いタイプ。
おれは冒頭でいきなり喧嘩をはじめる。
だが、そんなおれをビリィは軽々と倒してしまう。
ビリィの正体がわからないまま、物語は進む。

主人公が都会から移り住んだとある地方都市。
高校では、血の気の多い不良たちが抗争を繰り広げていたりする。
でも、主人公は冷めた目でそれらを見ている。

小説内では生々しい暴力が繰り広げられ、大した緊迫感もないまま人が何人も死ぬ。
誰が敵で誰が味方かわからない状態にもなる。
意味不明な幽霊が登場したり、ところどころ物語が破綻しているのだけれど、予想しなかった展開が繰り広げられていき、ちょっとミステリーっぽい。だから、この先どうなってしまうのだろう?とついついページをめくってしまう。 
チャン・キとのエピソードがちょっと良い。

結末は、「何でこうしてしまったの?」という感じですごく不満が残る。
これではホラーじゃないか。

その他、( )で補足することが多かったり、ウケを狙いすぎて寒い表現なんかもあったりする。
いきなりお芝居の台本風な書き方にして、セリフだけで場面を進めてしまい、明らかに描写をさぼっている箇所もある。
情景を描けていなかったり、強引な展開があったりと甘い部分は多いけれど、読ませる力という点で同時受賞の「リレキショ」よりも「キッズ アー オールライト」のほうが面白い。

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