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2007/01/17

第136回芥川賞 青山七恵「ひとり日和」受賞

第136回芥川賞を青山七恵さんの「ひとり日和」が受賞した。
(参照:http://www.asahi.com/culture/update/0116/018.html

以前書評で書いたように(書評はこちら)、私はあまり好きではない作品。

asahi.comによると、
『芥川賞選考委員で、23歳3カ月で同賞の受賞が決まった石原慎太郎氏と24歳4カ月で決まった村上龍氏が会見し、「ニヒリズムに裏打ちされた都会のソリチュード(孤独)を描いて圧倒的にいい」(石原氏)、「正確に厳密に言葉を選んで書かれていて、小道具も生きている」(村上氏)と絶賛した。』
という。

文学の知識が豊富な人って、本人が何の気なしに書いていることでも、やたらと意味をつけてくることが多い。
「ニヒリズムに〜」とかちょっと深読みしすぎでは。
要するにただ単に「やる気がない」「目的がない」主人公だし、そう言えばいいのに・・・。
だいたい、ソリチュードって言われても・・・。

それに、「孤独」というけれど、この主人公が味わっているのは大した孤独ではない。どうにでもなるレベルの孤独なのに、やる気のない甘ったれた若者だから自分で現状を変えようとしないだけなのである。
最後にちょっと前進するけれど。

幼稚な主人公、甘え、そして乾いた恋愛。
選考委員たちには若い人がいないけれど、もしかしてそれらを「現代的」と感じているのだろうか。

例えば、いわゆる現代的と言われるものであっても、吉田修一さんくらいスタイリッシュにまとめようとして尚かつプロットも練って書かれてあると、好みでない作品でも「ああ、こういうのもありかな」とは思う。
(余談だが、吉田修一さんの作品にはすごく好きなものとそうでもないものがある)
でも、ひとり日和は現代的と言うには中途半端で、なんだかゆらゆらゆらと凡庸な話が続いていくだけだ。

芥川賞受賞ときいても、私はどうしても「ひとり日和」に魅力を感じる事はできない。
下手じゃない、ひどくもない、でも印象にも残らない、そんな感じ。
当然、小説には好みというものがあるから、賞をとる=万人受けするわけではないけれど。
ううーん、でも他にもっといい、濃い作品はなかったのだろうか・・・と思ってしまう。

とりあえず文藝春秋に選評が載ったら、立ち読みしてみよう。
私が気付かなかったポイントとか、何かあるのかもしれない。

【関連記事】
「ひとり日和」文藝春秋選評について
ひとり日和(書評)

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「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

つい、クリックしちゃいました。

選考委員もなんとかならないもんかな~と
思ったりしている私です。

投稿: あい | 2007/01/20 00:26

お、同じ思いをかかえていましたか。
最近の受賞作を見ていると、選考委員をなんとかしたくなりますね・・・。
私は山田詠美さんの作品は好きなのですが、彼女はなんだかんだ長老たちには流されてしまいがちな優等生タイプだと思うのですよね。

投稿: *yuka* | 2007/01/20 01:20

全く同じ意見ですね。
選考委員センスない頭でっかちって感じ。
世間知らずの気がします。
石原さんとか都知事なのに都内の若い子がどうしてるとか、どうでもいいんですかねー。
芥川賞は立派な文学賞から質がいちていきますね、あたし作家志望なんですけど微妙ですよね、正直。話題性ほしいから、まあ、欲しいかも。みたいな部分もあるし、実際もらったら嬉しいかもしれないけど、うーん。
夢中になるような本も少ないって、ことでしょうけどねえ…
綿矢りさもつまんなくなっちゃったしなあ

投稿: 彩夏 | 2007/02/13 21:48

こんばんは。
同じ意見なのですね、嬉しいです。
作家志望の方から見たら、余計悲しいですよね。
選考委員がまともに評価できているのかあやしいんですもん・・・。
「「ひとり日和」文藝春秋選評について」で書きましたが、山田詠美さんの見る目は正しかったようです。
もっと、「こんなにいい作品あったんだー」っていう発見に繋がるような受賞作を排出してほしいですね。

投稿: *yuka* | 2007/02/14 00:33

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