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2006/11/01

ヘンリエッタ

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中山咲
文藝新人賞
★★★☆☆
主人公と、女性ふたりが暮らす「ヘンリエッタ」と名付けられた家を舞台にした話。

ヘンリエッタってなんだか語呂が非常にかわいいなと思ったのだけど↓
参考:Google検索結果
アニメの主人公がばんばん登場(汗 イメージと違う・・・。
相田裕「GUNSLINGER GIRL」のメインヒロインだそうです↓
参考:はてな

人の名前なので、そこからとったわけではないのかもしれないけれど、アニメの主人公と同じってちょっと小説の世界観を左右してしまう。

小説自体は、非常に読みやすくあたたかいお話。
嫌な人は一人もでてこなくて、主人公の視点で淡々と毎日が語られていく。
ふわふわとあたたかい空気感を最初から最後まで持続できる筆力は素晴らしくて、中心にでんと構えるヘンリエッタの存在感もいい。

早朝の空気感だとかを描くのはうまいのだけれど、物の描写がちょっと物足りない。
おそらく、ふわふわとした全体像を描くのは得意だけれど輪郭を伴うものを描くのがまだ苦手なのでしょう。
ふわふわと輪郭を混ぜて書くとより深みのある話になる気がする。
といっても、受賞時17歳。これからが楽しみな作家さん。

最近は10代で受賞なんて珍しくない。
人の文章能力は小学生の頃に大方決まるという話もきいたことがあるので、10代でまとまった文章が書けることはさして驚くようなことでもないのかもしれない。
ただし、若くしてデビューしてしまった作家は「若いのにすごい」という評価が、若くなくなってしまった時にどうなるのかといったことにも対峙せねばならないし、就職せずに作家活動に絞ってしまう人は作品のネタのもとともいえる「人生経験」の幅が足りず苦しい思いをすることもあるのかもしれない。たしか山本文緒さんが言っていたのだけれど、小説を作る為に必要な米櫃への貯蓄ってデビュー後に自分で増やしていかないと減るいっぽうらしい。
作家の誰だかが「作家なんて歳をとってからもできるのだからもっと先の為にとっておけばいい」「若くしてやるべきことをやりつくしてからなればいい」というようなことを言っていたような。これって決して若い事への嫉妬ではなく、「人生経験」を積んでこそ深い作品が書ける作家になれるから早いうちに可能性を狭めるなよということなのでしょう。

彼女には純文学よりもぜひ児童文学を書いて欲しいなと思う。
子供や若い子に読ませたいなと思える作品を書くことが向いていそう。

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