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2006/11/26

パリ仕込みお料理ノート

「パリ仕込みお料理ノート」
石井 好子
文春文庫
★★★★☆
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1970年に文化出版局から出た『ふたりのこいびと シャンソンと料理』の文庫化。
1952年フランスに渡りシャンソン歌手としてデビューした著者のシャンソンとお料理のエッセイ。
プロフィール詳細は著者サイトに記載↓
http://www.yoshiko-ishii.net/index.html

書かれた時代が時代なので、スペインで日本人が珍しいという記述があったり、アボカドの説明がわざわざあったり、タンシチューやテールスープを新しいものとして紹介していたりなど情報が古いと感じる部分もあるのだけれど、それでもとても興味深く読めるエッセイである。当時のパリやイギリスの様子に加え、時代を経ても変わらない食文化の本質をうまくついている。シャンソン好きには、著者と有名な音楽家たちのエピソードも興味深いであろう。
何より、私のようにパリ好きで食いしん坊の料理好きにはたまらない本。

国ごとのピクルスの違いとともに紹介されるピクルスのレシピ、
サラダ・デ・フリュイというシャンソンと美しいフルーツサラダのエピソード
日本の駅弁とパリの駅弁の違い
ソ連で大好評だったラーメン
フランスのオルドーブル・・・などなど、その国の香りとともに美味しそうな料理たちとそのエピソードが紹介される。
特に好きな料理のレシピも紹介している。
著者が記すレシピはどれも試してみたいと思わせるのだが、その中でもとりわけ興味をひいたのはキャビアを真似てつくるロシア料理「なすのキャビア」である。なすとその他野菜を炒めて味付けをするのだが、本場のキャビアさながらの美味しさらしい。著者が初めて食べた時の感動とともに紹介されているからこそ、より食べたくなる。

食べた事がない料理って、味の正解もわからないからこそ、イマジネーションがかきたてられて、食いしん坊の虫が騒ぎだす。「食べてみたい」という興味が料理をする為の大きな原動力となる。
もちろん、知っている料理も「あの味を自分で再現してみたい」という思いが同じように原動力になる。私はそんな性質であるので、様々な食材が家にあふれ、挙げ句の果てに使い切れず賞味期限がきてしまうということもある。いかんいかん・・・。
今日も韓国料理を食べた後、韓国のお餅「トック」と「トッポギ」や胡麻の葉の醤油漬けを買ったし、韓国料理用のスプーンと箸のセットも買ったし、韓国料理屋で飲んだレモン焼酎が非常に美味しかったので自分で仕込んでみようと思っていたところである。そう、今日は夕飯のせいで韓国気分まっただ中だったのである。
京都に行った時は、やれお麩だ、じゃこ山椒だ、玉露だと色々買い、毎朝おばんざいをつくって食べる気満々で帰宅した。
また、テレビで観た料理なんかにもすぐに影響されるし、フランス系のエッセイを読むとチーズをがっつり買い込んでしまって、お米の方が好きなのに朝食にパンが増えてしまったりする。料理の背景と「食べたい」欲求が手を組んだ場合、ぐぐーんとその世界に連れていかれて虜になってしまって、何が何でも実践せずにはいられないのですよね。
そんな私のように、その世界世界にすぐ影響を受け、すぐそういう料理を食べてしまえ!という方はかなり楽しめる本だと思います。おすすめです(笑  私の場合はこの本でパリに旅行に行った時の思い出もよみがえります。
ああ、ちなみに私はそういう◯◯気分が長続きせずにころころ変わるという飽きっぽさもあります。

レシピ以外にも、「もっと気軽にパーティをしましょう」という話もある。
気張らず、簡単な料理をつくって友人を家に招けば心もあったまるというもの。
アメリカ人やフランス人は極めて当たり前のこととしてパーティを開き、例えばお金がないアメリカ人の若い子なんかは狭い一室にみんなで集って、レコードをかけて、お菓子とビールとコーラでも楽しく盛り上がるのだという。お国柄っていうのもあるけれど、もっともっと気軽にパーティするのって楽しいのかもなと思った。
日本人でも、パーティを開いて、お料理をふるまうのが好きな人っていますね、そういえば。
簡単なおつまみや料理のレシピも載っている。ベルギー人に教えてもらったという「フライドエッグ・オン・トースト」という料理は、うずらの卵10個をフライドエッグにし、トーストにのせて小さく切ってケチャップをのせてかわいらしいカナッペにするというもの。ううーん、ちょっとこれ試してみたい。うずらの卵の目玉焼きって、なんかお人形用の目玉焼きみたいにかわいいものね。普段つくらないけど。
そういえば、昔、母親が何を思ったか10個分のうずらの卵の目玉焼きをお皿にででーんと盛っていたことがあったなぁ・・・。それだとかわいくないのです。面白かったけど。

いつの時代でも国でも、美味しい「食」の話はほんと面白い。

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コメント

えーっ!!ステキな本!!
落ち着いたら絶対読んでみます♪
1人暮らしのときはお料理を振舞ってみんなで食べるのが大好きでしたね。
ほんと、お金なかったし(^_^;)

投稿: あい | 2006/11/26 22:14

海外の空気が味わえるし、おすすめですよ。
食べる事がお好きなら、「買えない味」もおすすめです。
(感想がこちらにあります)
家で集まると、お金もかからないし、空気があたたかいしいいですよね。寒くなると、鍋とかいいですよね。

投稿: *yuka* | 2006/11/27 20:09

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