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2006/10/16

バードメン

「バードメン」
渋谷ヨシユキ
文學界新人賞 島田雅彦激励賞
★☆☆☆☆
ビルの清掃をする主人公とその同僚ダイ。ダイがあるビルから避難用パラシュートを盗んできて、それを使ってビルから飛び降りようと計画を企てる話。

パラシュートを用いるところは斬新で面白いのだけれど、他の新人賞受賞作家に比べると文章が格段に下手。
台詞がわざとらしかったり、描写ができていなかったりする。
例えば赤いポストのことを書く時に「赤いポストだった」というだけじゃ、イメージは広がらない。素人の書くブログと大差ない。
それでもはじめは勢いがあってそこそこ面白かったのだけれど、途中で間延びしてしまう。
ダイが憔悴していく件は性急だし、「東京は冷たくて怖い」「高層ビル群に圧倒され、自分の存在の小ささを知る」といった話自体にもちっとも共感できない。
余談ですが、東京生まれ東京育ちの私は、東京の良さ(下町の情緒であったり、商店街の活気であったり、地元の人が集まる美味しくて安いお店だったり、文化的な場所であったり、アーティスティックな場所であったり)をたくさん知っているので、新宿や渋谷のごみごみとした雑居ビルであったりとか、オフィス街の高層ビルをちょっと見ただけで「東京なんて人が住む場所じゃない」とかしたり顔で言う人が嫌いです(笑
実際、私が東京生まれで今も東京に住んでいることを知ったうえで、初対面でそういうことを言う人がいたんですよね〜。これって「対東京」だから、そういうこと許されると思っているのですよね。しかも、そういうこと言う人って「都会コンプレックスの田舎者」だから、東京をけなすことをかっこいいと思っていたりもする。
東京っていったって、みんながみんな歌舞伎町みたいなところで生活しているわけではないのになぁ。うちの近所には活気のある八百屋も魚屋もあるし、逆に地方のほうがそういうのはなくなってショッピングセンターになってしまっていたりしますよね。
・・・過去の気分の悪い話を思い出してしまったので思いっきり脱線しましたが・・・そんなわけで、この主人公が抱いている思いというものに1ミクロンも 共感できません。そもそも、古いのでは。発想が。もっと昔なら、ビルというものが都会の象徴であったかもしれないですけど。
よって、「つまらない小説読んじゃったなぁ」という感想。

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