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2006年10月

2006/10/22

神代植物公園:秋のバラフェスタ(2)

薔薇は近づいて見るのも綺麗ですが、青空との対比も美しいです。
自然の中で咲いている生命力のようなものも感じるし。
この日は秋晴れで薔薇鑑賞に最適でした。
やはり自然光の中で見るのが一番美しいですね。

【薔薇と青空】

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神代植物公園:秋のバラフェスタ(1)

先日、「秋のバラフェスタ」がやっている神代植物園(http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/seibuk/jindai/)に行ってきました。
薔薇園には274種、約5,100株の薔薇が咲き誇るとのこと。
吉祥寺からバスに揺られること、25分くらい。
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神代植物園のすぐ目の前にあるお蕎麦屋さんで腹ごなしをしてから、いざ植物園へ。

植物園の中は思っていたより広く、様々な花の園があります。
私たちは薔薇園へ直行。
薔薇園の中は、色とりどりの薔薇たちで埋めつくされています。

【アップの薔薇】
アップで撮ると花弁一枚一枚まで見えて綺麗です。
薔薇は開ききる前の、花弁が密集した状態が好きです。

左上の黄色〜ピンクのグラデーションの薔薇はとてもかわいらしく好きな色です。

中段に紫の薔薇があります。
紫の薔薇というとやっぱりガラスの仮面ですね・・・。花束でもらってみたい。

下段の白い薔薇は花弁が尖っていて珍しいです。

右下は、「ブラックティー」です。
山本文緒さんの小説で読んでから気になっていた薔薇でした。

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2006/10/16

風化する女

「風化する女」
木村紅美
文學界新人賞受賞作
★★★☆☆
突然亡くなってしまった会社の先輩れい子さん。
後輩の私が記憶の中で存在を反芻しながら、現実の世界でれい子さんの軌跡を辿り、れい子さんの知らない面を知っていく話。

無駄のないよくまとまった話で、とても読みやすい。
亡くなっているれい子さんの存在がくっきりと浮かび上がってくる。

ただ、読み終わった後のいわゆる「後味」がさっぱりで、あくや癖がない。
「何かいいもの読んだな」という気はするのだけど、それ以上の印象を与えない。
もしかしたら、読み返すごとに味を増すタイプ?
タイトル通り、この作品の印象も風化してしまいました・・・。

文章はうまいし好きなタイプではあるので、次の作品も読んでみたいとは思う。

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バードメン

「バードメン」
渋谷ヨシユキ
文學界新人賞 島田雅彦激励賞
★☆☆☆☆
ビルの清掃をする主人公とその同僚ダイ。ダイがあるビルから避難用パラシュートを盗んできて、それを使ってビルから飛び降りようと計画を企てる話。

パラシュートを用いるところは斬新で面白いのだけれど、他の新人賞受賞作家に比べると文章が格段に下手。
台詞がわざとらしかったり、描写ができていなかったりする。
例えば赤いポストのことを書く時に「赤いポストだった」というだけじゃ、イメージは広がらない。素人の書くブログと大差ない。
それでもはじめは勢いがあってそこそこ面白かったのだけれど、途中で間延びしてしまう。
ダイが憔悴していく件は性急だし、「東京は冷たくて怖い」「高層ビル群に圧倒され、自分の存在の小ささを知る」といった話自体にもちっとも共感できない。
余談ですが、東京生まれ東京育ちの私は、東京の良さ(下町の情緒であったり、商店街の活気であったり、地元の人が集まる美味しくて安いお店だったり、文化的な場所であったり、アーティスティックな場所であったり)をたくさん知っているので、新宿や渋谷のごみごみとした雑居ビルであったりとか、オフィス街の高層ビルをちょっと見ただけで「東京なんて人が住む場所じゃない」とかしたり顔で言う人が嫌いです(笑
実際、私が東京生まれで今も東京に住んでいることを知ったうえで、初対面でそういうことを言う人がいたんですよね〜。これって「対東京」だから、そういうこと許されると思っているのですよね。しかも、そういうこと言う人って「都会コンプレックスの田舎者」だから、東京をけなすことをかっこいいと思っていたりもする。
東京っていったって、みんながみんな歌舞伎町みたいなところで生活しているわけではないのになぁ。うちの近所には活気のある八百屋も魚屋もあるし、逆に地方のほうがそういうのはなくなってショッピングセンターになってしまっていたりしますよね。
・・・過去の気分の悪い話を思い出してしまったので思いっきり脱線しましたが・・・そんなわけで、この主人公が抱いている思いというものに1ミクロンも 共感できません。そもそも、古いのでは。発想が。もっと昔なら、ビルというものが都会の象徴であったかもしれないですけど。
よって、「つまらない小説読んじゃったなぁ」という感想。

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浮き世でランチ

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山崎ナオコーラ
文藝賞受賞第一作
★★★★☆
会社でうまく人とコミュニケーションをとれない主人公。
会社を辞め、いくつかの国を旅しながら会社で唯一通じ合えたミカミさんにメールで状況を報告する。
中学時代の宗教ゴッコやおかまじゃないのにおねえ言葉で話す男友達との友情といったエピソードも綴られ、現在と中学時代の話を交互におっていく構成になっている。
物語の後半で、旅の目的が明らかになる。

とにかくこれ、すごくいい小説でした。
新人賞を受賞した「人のセックスを笑うな」もうまかったのだけど、あれはすごく狭い世界で完結してしまう話だった。これは狭い世界で完結せずに滑らかに世界が広がって行く。
描写はうまいし、登場人物がいきいきとしている。
ただ物語が進んで行くだけではなく、主人公がその都度感じることが(共感できるできないはさておき)うまい具合に絡んでいる。
昔のふとしたエピソードをするする思い出させる感じは岩井俊二っぽい。
山崎さんって、最近新人賞を受賞した多くの作家たちの中でも、本当に力量がある人なのではないでしょうか。
意味を持たせるよりも、文章にこだわって面白い小説を書きたいと考えているだけあって、非常に読みやすいし、言葉がひとつひとつ丁寧。

すごく面白かっただけに、終わり方だけ納得いかなかった。 まぁこれは好みの問題かもしれません。

山崎さんはホームページがあるようです。文藝に載った時しか把握していなかったけれど、色々やってらっしゃるのですね。山崎さんらしいサイトです。
http://members.at.infoseek.co.jp/kyuuu/index-14.html

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2006/10/15

不思議の国のペニス

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羽田圭介
文藝賞受賞第一作

おたくの街Aにあるアダルトグッズショップに通う主人公。
合コンで知り合ったナオミとSMならぬSSプレイはするが、心が通いあえずに悩む。そんな時、友人たちが主人公がナオミにいいところを見せられるようにとバンド結成を企画する・・・といった話。

新人賞受賞作「黒冷水」はあくが強く好き嫌いが別れるものだったけれど最後まで読ませる力があった。でも今回のこの作品は、はっきりいってつまらない。おたくの街A(おそらく秋葉原)やアダルドグッズショップ、SSプレイなど濃いアイテムを散りばめてはいるけれど、どれもストーリーとの絡め方が浅い。女子高生も画一的でリアルじゃない。バンド結成という青春ものによくありがちなエピソードもストーリ−全体からは浮いている。なんか油が強いだけでちっとも美味しくないジャンクな料理を食べちゃった印象。

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雪の華

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雪の華
伊藤たかみ
角川春樹事務所
★★★☆☆
共感覚という特殊な感覚を持つ主人公は、人の背後にその人独自の「形」を見ることができる。ある日、亡くなってしまった京子と同じ雪の結晶の「形」を、京子の元恋人だった友人の新しい彼女にみつけた主人公は、京子が亡くなってしまった理由や最後に言おうとしていた言葉、彼女と京子の関係、京子がどういう人だったのかというのを探っていくという話。

この共感覚という感覚、小説の世界での話だけではなく、実際にあるらしい。共感覚を持つ人は、言葉や音に色が見えたり、味にかたちが見えたりするらしい。例えば、白黒の新聞がカラフルに見える。また、数字それぞれが違った色で見えるため、複数の数字が混在していても目的の数字をいとも簡単に見つけられるのだとか。
参考)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000533.html
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20020325306.html
もっとも、人それぞれに固有の形をみるという共感覚は、この小説だけの話のようです。

純文学というには浅いけれど、SFっぽい設定に死や恋愛が絡み、それなりに面白いです。続きが気になるタイプの話。普段あまり本を読まない人でも読みやすいのではないのでしょうか。
ちなみに荻窪とか、うちの近所が登場します(笑

これを読んだ頃はまだ芥川賞を受賞していなかったので図書館で普通に借りられたけど、今はもしかして伊藤たかみの本って人気なのだろうか。
それにしても「たかみ」が友達の苗字からとられていたとは・・・。中性的なイメージにする為だと思っていたのになぁ。

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2006/10/14

夢を与える

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綿矢りさ

「インストール」「蹴りたい背中」といった話題作を生み出している綿矢りさの芥川賞受賞第一作。

日本人とフランス人の子供である美しい主人公夕子。その夕子が生まれる経緯となる、母親が若い頃から物語は始まる。

主人公が生まれ、「スターチーズ」というチーズのCMに「半永久」的に起用されるあたりからやっと物語が流れ出す。主人公の成長にあわせ、生きているCMを撮りたいというスターチーズ。主人公が小さな頃から一生同じCMに出続けることになるなんて、なかなか面白い展開。

主人公は幼い頃から芸能界に関わりながら、どんどん成長していく。
成長にあわせ、チーズのCMでは等身大の姿で出演する。このチーズのシーンのところでチーズがいちいち食べたくなる私はきっと食いしん坊です。どんなチーズかは書かれていないけれど、きっとあれは昔から日本にあるスライスチーズなんだ。

大人に囲まれた世界にいる主人公は、クラスの子たちが子供に見えて仕方がないのだけれど、なんだかどこかで見たことがあるような話だ。美しくて同世代よりも大人な主人公というと山田詠美に憧れて書いたのかな?というかんじなのだけれど、私には憧れたくなるような主人公には思えない。「大人に囲まれて育った夕子にとって同年代の子は子供っぽすぎた」ように言葉で説明がはいっているのだけれど、それを読者に感じさせる描写に乏しい。
そんな風に「あ、無理してつくっているな」という箇所が多いのだけれど、母娘の素朴なエピソードなど自然な箇所ももちろんある。

やがて、主人公は恋をするのだが、この相手役がまた私はどう考えても好きになれないタイプ。
ダンスをやっていて、だらしない服を着ていて、オレ様なタイプの男。なので、読んでいてもちっともロマンチックに感じない。それに愛がなく乾いているのに行為ばかりが生々しい性描写がいくつもあり、読むのが苦痛。

そうして、物語のラストでは「え、こんな終わり方なの?」とがっかり。



スターチーズのCMに半永久的に出続けることになった という出だしはとても面白いのだからもっといい方向にいけたのではないかな?と非常に残念に思う小説。

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2006/10/11

initial イニシャル ~岩井俊二初期作品集~

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initial イニシャル ~岩井俊二初期作品集~
国: 日本
★★★★☆
initialは5枚組。以下の構成になっている。

Disc1「見知らぬ我が子」「殺しに来た男」(1991年「DRAMADOS」) 約47分
Disc2「マリア」(1992年「DRAMADOS」)「蟹缶」(1992年「世にも奇妙な物語」) 約39分
Disc3「夏至物語」(1992年「薔薇DOS」)「オムレツ」(1992年「La cuisine」) 約45分
Disc4「雪の王様」(1993年「TV-DOS-T」)「ルナティック・ラヴ」(1994年「世にも奇妙な物語」) 約39分
Disc5「岩井俊二監督特別ロングインタビュー」 約49分

1番好きなのは「見知らぬ我が子」だった。
少女の魅力をひきだすのがうまいし、子供たちの演技が自然。
ストーリーも、恐怖の度合いが程よい。
これが初作品とはとても思えない。ドラマ初演出で番組内大賞を得た幻の名作なのだとか。
後々自分がビッグになった時にかっこいいタイトルがいいだろうと思って英語名をつけていたのに、「わかりにくい」という理由で見知らぬ我が子にされたのだとか(笑
若き頃の岩井俊二、かわいいなぁ。その頃夢みていた通りビッグにはなっているけれど、私はタイトルは日本名でよかったんじゃないかと思う。

2番目に好きだったのは「夏至物語」。
結末は観る前に解説を読んでしまっていたので知っていたのだけれど、主役が食む胡瓜の音と瑞々しさとか画面を通して伝わってくる茹だるような暑さ、独特の世界観がいい。

好きじゃないのだけれど気になったのは「殺しに来た男」。
殺し屋のターゲットが何度殺しても死なない話なのだが、主役の時間軸が狂って同じことが延々と繰り返されるかんじでめまいがしそうになる。その他の肉付けはまだ幼いというか甘いので好きではないし、この手の繰り返しものは珍しいわけではないけれど、そのモチーフがもともと好きなので結局気になる。
イノセンスのそういうシーンもそうだったなぁ。

好きなものをずっとつくっていきたいと願っていた岩井監督は、そう思ってから今に至るまでずっと好きなものをつくり続けていられて本当に幸せだと言う。

「好きなものをずっと」

好きなことを仕事にしたいと願っても、案外人は回り道をしがちだ。下積みは大切だけれど、経験は必要だけれど、それを言い訳に冒険できない人って多いと思う。
違う道を行くうちに、初心を忘れてしまい、夢のような目標はよくも悪くも手近で平凡なものに形を変えていたりする。
それは大人になるということかもしれないし、ただ単純に感覚の鈍化かもしれない。
岩井監督にふれる時、そういうことが頭を過る。

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2006/10/09

メゾン・ド・ヒミコ

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メゾン・ド・ヒミコ
年度: 2006
国: 日本
★★☆☆☆
ゲイの為の老人ホームを舞台にした話。
ホテルビーナスのゲイ版というかんじ(どっちが先なんでしたっけ)の映画。
それぞれのキャラクターが個性的だし、オダギリジョーはかっこいいし、柴咲コウは垢抜けなくてなんだかかわいらしいし・・・といい俳優がそろっているわりに話が平凡。
ちょっと期待はずれ。
ゲイを素材として使うのって、もう今では珍しくない。
ゲイのいわゆる「おねえ言葉」というやつは、それだけでキャラがたつので、反則技ともいえる。
その反則技を使っても話をつくるという場合、ストーリー自体にかなりの独自性を求められる。
この「メゾン・ド・ヒミコ」は、ゲイの為の老人ホームという設定が面白いのだけど、これって「ゲイ」である必要あったのかなと思う。ヒミコを慕って集まる変わった年寄り達、でも話は成り立ったのではないでしょうか。身内にゲイであることを隠している老人の老後の厳しい現実に触れていたりするのだけど、そこは浅くふれているだけでストーリーのメインではない。
結局は、不器用な生き方をしている柴咲コウとオダギリジョーがくっつきそうになってしまったり、柴咲コウが職場の先輩と寝ちゃうところとか、なんかひどく強引で、雑なストーリーに感じる。
ここで、あえてこの2人をそういう風にせず、ゲイの老後にのみスポットをあてて深く描いたら、私はこの映画をもっと評価できただろうなと思う。
自分に自信がないゲイの人とか、奇抜に着飾るゲイの人ばかり目立ってしまったので、もっとフツーなかんじのゲイの人にスポットをあててもよかったんじゃないかな。

柴咲コウの父親、ヒミコも存在感はあるのだけど、人をひきつける魅力という点では「?」でした。

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2006/10/08

正夢の話

学生の頃、 私はこんな夢をみました。
夢の中で、私は当時ファミレスのバイトが一緒だった年下の女の子に話しかけられていました。

「yukaさん、今度の日曜日、シフト代わってもらえませんか?」
「ごめん、学校の課題があるから無理なんだ」

夢の中で話していた子には、今までシフトを代わってくれなんて言われたことはなく、
だったら「いいよ」って言ってあげればよかったのですが
夢の中の私は、実際に抱えていた課題の事が頭をよぎり
断らざるをえなかったのでした。
なんてことのない会話でしたが、
起きた後、「妙にリアルな夢だったな〜」となんだか変な気持ちでした。

翌日、バイト先でその子、Iちゃんに会いました。
夢のことを話そうと思い、
「昨日夢にIちゃんがでてきたんだよ」
と言おうとしたその時に、Iちゃんは私にこう言いました。
「yukaさん、今度の日曜日、シフト代わってもらえませんか?」

・・・・・・
えええ!?全く一緒なんだけど!!!!!
一言一句違いませんけど!!!

「ねぇ、ねぇ、!!!夢でも全く同じこと言われたよ!」
1人息巻く私をIちゃんは不思議そうに見ていました。
いや、もっと「はぁ?何言ってんの」くらい、怪訝そうな顔でした。
そりゃそうだ。
話しかけたら、いきなり「この場面夢でみた!!」とか言われたら
「こいつイタイ」
と思うでしょう。

ちなみに、本当に課題を抱えていたため、シフトを代わることはできませんでした。
まさに夢の通りでした。

ここまで完全一致の正夢は後にも先にもこれっきりです。
でも、このことがあったことで、私は「正夢」の存在を立証できてしまったのです。
Iちゃんが、「明日バイトで会ったら言おう」と念でも送っていたのでしょうかね。

どうせなら、もっと予知して得するようなことを
予知してくれればよかったのにね、とは思います。

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2006/10/06

センセイの鞄

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センセイの鞄
川上 弘美
文藝春秋
★★★★★

いい意味で輪郭のない小説だった。

輪郭がくっきりとした小説は、わかりやすい。
でも、輪郭で描くと、あらすじは説明しやすくとも、読後に残るものがない。
旨味がない。 ストーリーばかりが進んでしまった印象になる。

輪郭は曖昧でも、空気とか雰囲気とかを丁寧に描いてある小説はどこまでも深い。
場面場面をぼんやりと塗り、紡ぎあわせた小説、それが「センセイの鞄」
どういう形かと問われると説明ができないけれど、どこを切り取っても味があり、絵になる。
小説全体を柔らかいものが覆っているので、読んでいるとほかほかとした気分になる。
言葉のひとつひとつが、「いい日本語」である。

主人公は酒飲みで、一人でふらっと飲み屋さんに行ける人で
そういう主人公が私は好きだ。
一人じゃ外でご飯食べられない〜とか、一人だと何をしていいかわからない〜といったタイプの人種とは真反対にいる人。私も主人公側の人間。

「先生」というと、夏目漱石の「こころ」を思い出す。そこから派生して悲劇的な話を想像してしまうけれど、この「センセイ」はどこまでもゆるゆるとおだやかでマイペース。
ただ、主人公が「ああ、この人にはかなわないな」と思って憧憬する様子はかぶる。

芥川賞をとった「蛇を踏む」より、「センセイの鞄」のほうが個人的には好き。

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2006/10/05

薬指の標本

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薬指の標本
小川 洋子
新潮文庫
★★★★★
主人公の女性は、勤務先のサイダー工場で事故に遭い、薬指の先端を切断してしまう。
工場を辞めたあとに、「標本室」で事務員として働き始める。
思い出も、音楽も、あらゆるものを標本にできる「標本室」を舞台に描かれる愛のかたち。
---
サイダーの中でゆらゆらとゆれ、サイダーをピンクいろにそめあげる肉片だとか
長い間使われていないお風呂場のざらっとしたタイルであるとか
場面場面の描写が素晴らしい。
映画を観ているかのように、目の前にくっきりと映像が浮かぶ。

標本室は、依頼主が標本にしたいというものが、どんなものであっても決して断らない。
依頼主たちは、思い入れの強いものたちを標本にしてくれと持ち込むわりに、標本になった後は見にこようともしない。
これは、依頼主たちが持っている形を成さない「執着」が標本にされることで浄化されているということではないだろうか。標本という「形」で残し、所有者が自分であることを記録することで。
なくすのでもなく、捨てるのでもなく・・・「記録する」。それが標本室。
たしかに存在したことが、そこで証明される。
それが依頼主たちの希望。

そんな標本室を舞台に描かれる愛。
でもなんで、欠けてしまった薬指を彼女は最後に選んだのでしょう。
欠けてしまった薬指と彼女と彼を結ぶ線は一寸薄い気がするのです。
ここで薬指を持ってくるのであれば、もっとそこにまつわるエピソードが欲しいなと思ってしまった。

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2006/10/04

アイミティーといえば「ケニヤン」(渋谷)

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渋谷でお茶をしようと、公園通りの裏の方へ。
BEAMS前、半地下のクラシカルな雰囲気のカフェ「ケニヤン」へ。

ここの看板商品は、写真の「アイミティー」。
アイミティーとは読んで字のごとく、アイスミルクティーのこと。
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ここのアイミティーははじめから甘い。でも、普段紅茶にガムシロをいれない私でも美味しく飲める。パンチのきいた紅茶の香り、「これぞアイスミルクティー」といいたくなる味。

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丸ごと林檎のパイも、美味しい。
ほかほかのアップルパイにバニラアイスをのせて食べると口のなかにじわ〜っとパイのバターの香り、林檎の甘酸っぱさ、アイスの甘さが広がる。

結構、ここのアイミティーファンは多いみたいですね。

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ケニヤン
TEL:03-3464-2549 
住所:渋谷区神南1−14−8 南部ビル 1F
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